コラム
公開 2021.07.16 更新 2021.10.05

離婚後の不安を解消するために、知っておきたいトラブル回避術

離婚後のトラブルでよくあるのは養育費や財産分与、慰謝料などの未払いです。未払いを回避するために、確実に公正証書を作成しましょう。
また、元配偶者がつきまといや待ち伏せをするなど、ストーカー化してしまうケースもあります。危険を感じたときは、すぐに警察や弁護士に相談して第三者の支援を受けましょう。

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依頼者:オー美

結婚25年目、オー美の場合

こんにちは、オー美です。
私は結婚25年目の夫との熟年離婚を進めている50代のパート主婦です。
ただ職場では近々正社員にしてもらえる話が出ていて、収入が安定しそうな状況となっています。

実は夫との関係は冷え切っており、子どもが大学生になって私の手を離れたことや夫が単身赴任から戻ってくる予定が決まったなどいろいろな事情が重なって、離婚を決意しました。

離婚への道のりは長かったのですが、弁護士に相談しながら財産分与や年金分割などの重要な事項を学び、いよいよ離婚を成立させられそうです。
「離婚後の新しい人生」、不安もありますが希望をもって進んでいきたいと思っています。

これまでは、主に熟年離婚で重要な財産分与や年金分割についての知識を得てきました。
結婚してから25年、ほとんどの期間夫の扶養に入ってきた私が1人で生きていけるのかな?と不安もありましたが、法律的な知識を得て、勇気がわいてきました。

夫が一時期「財産は娘に贈与する」などと言い出したので「財産分与を受けられなくなるのでは?」とあせったこともありましたが、「生前贈与には税金がかかる」と説得してあきらめさせることもできました。
離婚後は娘の大学の学費も払ってもらえそうです。
私たちの離婚によって娘に心配や負担をかかるのだけは避けたいので、学費は離婚後も必ず責任もって払ってもらいたいと思っています。

離婚後、子どもの学費を払ってくれないとき、請求できる?

現在、夫との離婚協議を進めていて、離婚後も子どもが卒業するまでは養育費と学費を払ってもらう約束ができそうです。

ただ、子どもが大学を卒業するまでには4年もありますよね。
今は払うつもりでも、気が変わるかもしれません。
その間に学費を払ってくれなくなったら、どうやって請求すればよいのでしょうか?
裁判を起こさないといけないのでしょうか?
離婚後にも財産分与や学費などの請求をする方法を知りたいと思います。

また夫は粘着質な性格なので、もしかして離婚後にストーカー行為をされるのではないか?という心配もあります。
私だけではなく、娘の大学にまで押しかけてくるかもしれません。
どうすればよいでしょうか?

弁護士が解説!離婚後に学費を払わせる方法、元配偶者がストーカーとなった場合の対処方法

離婚後に子どもの学費を払わせる方法

オー美さんは、夫が離婚後にきちんと養育費や学費を払ってくれるのか不安を感じています。
離婚後、養育費や学費、財産分与などのお金を確実に払ってもらうには、「離婚公正証書」を作成しましょう。

離婚公正証書に支払い義務を明記しておけば、相手が払わないときにすぐに給料などの差押えができるからです。
もし公正証書がなかったら、調停や訴訟を起こし、債務名義を得ないと差押えができません。

離婚公正証書を作成するときの注意点

ただし学費の場合、単に公正証書に「学費を払う」などと書いていても強制執行できないので注意してください。
「学費を払う」という抽象的な文言だけでは、支払うべき金額や支払時期などの義務内容が明らかでないためです。

そこで、以下のように記載しましょう。
「2021年から2024年にかけて、毎年5月末までに100万円払う」
このように、金額や支払時期を定めておけば義務内容が明確になるので、支払われなったときに差押えができます。

離婚後に相手に学費を確実に払わせたい場合には、先に金額と支払い方法、支払時期を決めて公正証書に書き込んでおきましょう。

離婚後に請求できるお金

離婚時に財産分与や慰謝料などの取り決めをしなかった場合には、離婚後でも請求できる可能性があります。
たとえば財産分与であれば「離婚後2年間」、財産分与調停を申し立てて請求できますし、離婚に伴う慰謝料は「離婚後3年間」、慰謝料請求訴訟を起こして請求できるケースが多数です。

一方で、大学の学費については、養育費に相当する部分を除き、法律上当然に請求できると決まっているわけではありません。ただし双方の学歴や、相手が子の進学に対してどの程度認識していたか等、様々な事情が考慮され、学費が認められる場合もあります。

離婚したら何も請求できなくなるわけではないので、困ったときには弁護士に相談してみましょう。

元配偶者がストーカーとなったときの対処方法

オー美さんは、「離婚後に夫がストーカー行為をするのではないか?」と心配されています。
実際、元配偶者がストーカーとなるケースは少なくありません。

本人が拒絶しているにもかかわらず「つきまとい行為」をすると「ストーカー規制法違反」となり、犯罪行為です。
実際に身辺をうろつかれるだけではなく、しつこくメールや電話をしてきたり、LINEやTwitterなどのSNSでしつこく絡んできたりするケースもストーカー規制法違反になる可能性があります。
本人だけではなく子どもや親などにつきまとう行為も禁止されています。

まずははっきり拒否して証拠を集める

離婚後に相手がストーカー行為をしてきたら、まずはきっぱりと拒絶しましょう。
拒絶した証拠を残すため、メールのやり取り着信記録、送られてきた手紙などはすべて保存するようおすすめします。

警察、弁護士に相談する

それでもしつこくしてきたら、警察や弁護士に相談してみてください。
警察に相談すると、警察から相手に注意してもらえる可能性があります。
警察から注意を受けるとつきまとい行為をやめるケースも多くあるでしょう。
それでもストーカー行為がおさまらない場合には逮捕してもらえるケースもあります。

警察がすぐに動いてくれない場合や証拠が足りないといわれた場合などには、弁護士に相談してみてください。
弁護士が警告書を送ればストーカー行為がおさまるケースが多数あります。

ストーカー被害を放置すると徐々にエスカレートして、大きな事件につながってしまう事例が少なくありません。
恐怖を感じたら、すぐに弁護士や警察に相談して第三者による支援を受けましょう。

まとめ

子どもの大学や高校の学費を払ってもらう約束をするとき、将来の不払いが不安なら離婚公正証書を作成して「金額」や「支払時期」を明確にしましょう。
離婚時に学費を取り決めなかった場合でも、離婚後の請求をすることも可能ですし金額の調整もできます。

元配偶者がストーカーになったら、まずは証拠を集めて相手にははっきり拒絶の態度を示してください。
しつこい場合には警察や弁護士に相談しましょう。

オーセンスでは円満な離婚、後悔のない離婚を実現するためのお手伝いをいたします。
離婚後のトラブルが起こった場合にも対応可能ですので、熟年離婚にお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

オーセンスの弁護士が、お役に立てること

・離婚をした後に、お子様の学費や財産分与、慰謝料等が請求できる場合があります。弁護士は、離婚時にどのような合意をしたか、お話を伺った上で、相談者様が何を請求できて何を請求できないのか、的確にアドバイスいたします。

・元配偶者からの嫌がらせやストーカー行為に悩んでいる方には、どのような証拠を集めたらよいか、どのような対応をしていったらよいかアドバイスいたします。また、事案によっては、警察への同行や被害届の提出等もお手伝いいたします。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、一橋大学大学院法務研究科修了。離婚、相続問題等の一般民事事件や刑事事件、少年事件、企業の顧問など、幅広い分野を取り扱う。
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