コラム
公開 2016.07.29 更新 2023.07.21

離婚慰謝料を請求されたが高額で支払いが困難…

自分の浮気が発覚してしまい離婚を宣告され、さらに高額な慰謝料を請求された…。

まさに「身から出た錆」ですが、やってしまったことは今さら取り返しはつきません。

「妻はどうしても別れたいと言っているし、もう離婚は仕方がない」離婚については、そんなふうに諦められたとしても、問題は高額な慰謝料の方です。

払わなくてはいけないと思いながらも、とても払える金額ではない。こんな場合、どうすれば良いのでしょう?

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そもそも、慰謝料はどうやって決められるのか

離婚の際の慰謝料には、決まった計算式のようなものはありません。その理由は「精神的苦痛に対する賠償金」であるという慰謝料の性質のためです。

離婚にまで至ったそれぞれの夫婦には、皆それぞれの事情があります。両者納得のうえ、円満に離婚が成立することもあれば、さんざん話がこじれた上でようやく解決を見た、ということもあります。

浮気が離婚の原因…という場合であっても、細かい事情は夫婦それぞれ違います。ですから、慰謝料に明確な基準を設けること自体が難しいのです。たとえば夫の浮気が原因で離婚するのであれば、その浮気の状況によって慰謝料の額が変わります。

浮気の期間、頻度はどれくらいか。

男女どちらが積極的に誘ったのか。

当人たちに反省の色はあるのか。

謝罪はあったのか。

また、浮気が夫婦に与えた影響についても、慰謝料の算出に関係してきます。

それまで円満だった夫婦仲が一気に壊れて離婚にまで至ったのなら、「浮気によって夫婦生活が破綻した」と考えられますから、慰謝料は高額になりがちですし、夫の浮気によって妻がうつ病を患ってしまった、といったケースでも同様です。

このように、ひとくちに「浮気による離婚」といっても、その状況は夫婦ごとに大きく異なります。それぞれの状況によって慰謝料の額も上下することになるのです。

慰謝料は言い値!?を防ぐために離婚協議ですべきこと

慰謝料を精神的苦痛への賠償金と考えれば、極論すれば「いくらでも請求できる」ということにもなります。

ですが、あまりにも高額すぎると支払い能力を超えてしまい、「払えない」ということにもなってしまいます。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか?

まずは、離婚協議の中で慰謝料について減額を求めることです。

慰謝料はさまざまな要素を勘案したうえで算出されます。そのため、事案ごとに開きがある一方で、ある程度の目安というものも存在します。それを大きく超えた金額を請求された場合には、その金額の根拠を明確に示してもらい、適正かどうかを協議することです。

いかに慰謝料とはいえ、その額を決めるには根拠が必要です。何の根拠もなく「これくらい欲しい」という理由だけでは、支払う側も納得することは出来ないでしょう。

もちろん「いくらでも支払う」という腹づもりならばそれでも良いのですが、あまりに高額だと思われる場合には、相手側にその理由を説明してもらうべきでしょう。

もちろん、こうしたやりとりを行うためには交渉力が必要ですし、慰謝料の算出に関する専門知識も求められます。一般の方にとってはかなりの難関ですので、専門家である弁護士に任せることをおすすめします。

慰謝料は分割払いもできる!

通常、慰謝料は一括払いで支払われることが多いです。

ですがその金額によっては、支払い後の生活が破綻してしまう場合や、そもそも支払い能力を超えているという場合もあるでしょう。

いくら「払え」といわれても、無い袖は振れない…というわけです。こうした場合、お互いが合意できれば分割払いで支払うこともできます。

これはあくまでも当事者同士の合意の上でのことなので、支払い方法は自由に決められます。払えるだけ先に支払って、残りは月々いくらずつ払うといった形でも良いですし、一般のクレジット払いのように、定額を何回払いで…という形にしてもかまいません。

ただし支払期間をあまり長く設定してしまうと、いつまでも離婚の影を引きずって暮らすことになってしまいます。無理のない範囲でできるだけ早く完済できれば、気持ちの切り換えもそれだけ早くできるでしょう。

なお、離婚協議で取り決めた内容については、のちのトラブルを避けるために「離婚協議書」という書面にしておくのが一般的ですが、慰謝料を分割払いにしたときなどは支払いの遅滞や支払い義務の不履行を防ぐため、公正証書の作成を求められることがあります。

公正証書は公証人役場で作成されるものですが、この場合、支払いが滞ると即時の強制執行が可能で、給料や財産を差し押さえられることもありますから、注意が必要です。

記事を監修した弁護士
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Authense法律事務所記事監修チーム
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