コラム
公開 2021.06.25 更新 2023.07.21

結婚25年目の熟年離婚。離婚協議で決めるべきこと

熟年離婚するなら必ず「離婚協議書」を作成しましょう。また、年金分割や財産分与などを取り決める場合には「公正証書」がおすすめです。書面化しておかないと約束が守られないリスクが高くなります。
この記事では「オー美」さんの事例を通じて、財産分与や年金分割など、重要事項の記載について確認しましょう。

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依頼者:オー美

結婚25年目、オー美の場合

私はオー美、夫とは結婚して25年になります。
夫との関係は冷え切っていて、熟年離婚を進めているところです。
子どもは2人いますが、それぞれ実家を出て一人暮らしをしています。
子どもたちも独立したことですし、私としても「夫との結婚生活を終えてもよいのかなぁ」と考えたのが離婚のきっかけの1つです。

離婚なんて初めてのことなのでわからないことだらけで大変でしたが、下調べも済んで、いよいよ夫と話し合いを開始しました。

私たち夫婦のような熟年離婚のケースでもっとも重要なのが「財産分与」と「年金分割」の2つということを学んできました。
どちらも初めて知ることばかりで、今後の生活の不安も感じていましたが、今後これから受け取ることになる夫の退職金を財産分与に含めてもらえることがわかりましたし、家に夫名義住宅ローンが残っている場合についても確認ができました。
これなら離婚後も何とか生活していけそうです。

離婚協議書はどうやって作成すれば良い?公正証書って何?

いよいよ夫と話し合って離婚協議を始めるのですが、最近気になっているのが「離婚協議書」のこと。
離婚が成立したら必ず離婚協議書を作成するように、と書かれているのですが、離婚協議書はどうやって作成したらいいのでしょうか?
作成の際のルールや盛り込むべき内容、無効にならないための注意点などが知りたいです。
うちでは娘の大学の学費を夫に出してもらうことになりそうなので、そういった内容も入れたいと思います。
できれば「書式(テンプレート)」があると、そのまま使えて便利で嬉しいのですが…。

また離婚協議書は「公正証書」にしなければならないといわれますが、公正証書ってなんなのでしょうか?
なぜ公正証書にしないといけないのか、どのようにすればよいのかも教えてもらえると助かります。

弁護士が解説!熟年離婚の離婚協議書(書式つき)、公正証書にする方法

熟年離婚の離婚協議の際に決めておくべきこと

離婚協議書は、夫婦で話し合って合意した「離婚についての約束」を明確にするための契約書です。
離婚時に財産分与や年金分割の約束をしても、書面化しないと守ってもらえないリスクが生じるので、必ず離婚協議書を作成しましょう。

具体的には以下のような内容を取り決めて、離婚協議書に記載する必要があります。

  • ・夫婦双方が離婚に合意したこと
  • ・財産分与の方法、金額、支払い方法
  • ・年金分割の合意や割合
  • ・慰謝料の金額や支払い方法
  • ・未成年のお子様の親権者
  • ・養育費の金額や期間、支払い方法

「本合意に定める以外にお互いに債権債務がない」ことも確認しておく必要もあります。
完成したら日付を入れて、お互いが署名押印し、2通作成してそれぞれが一通ずつ保管しましょう。

離婚協議書(サンプル)

以下では離婚協議書のサンプルを示します。
オー美さんご夫婦の離婚では夫が長女の学費を払う約束をしましたので、その前提のものをご紹介します。

離婚協議書(サンプル)

離婚協議書を公正証書にする方法

離婚協議書ができたら、必ず公正証書にしましょう。
公正証書を作成しておくと、後に相手が合意した財産分与や養育費などの支払いをしないときに相手方の財産について差押ができるからです。
また年金分割の約束を公正証書でしておくと、離婚後相手に年金事務所まで来てもらわなくても、分割を受ける人が1人で年金事務所へ行って年金分割の手続きができるメリットもあります。

公正証書を作成したいときには、お近くの公証役場へ申込みをして日取りを調整し、離婚協議書を公証人に提示して公正証書としての文面作成を進めてもらった上で、必要書類を用意して相手と一緒に公証役場へ行きましょう。
本人確認の上公正証書の内容を確認し、双方が納得して署名押印すれば、離婚公正証書を作成してもらえます。

まとめ

熟年離婚の離婚協議書を作成するときには、財産分与や年金分割などの事項をもれなく記載する必要があります。
離婚協議書を公正証書にまとめておくと、相手が不払いを起こしたときにすぐ差押ができるので便利です。

オーセンスでは熟年離婚のご相談に積極的に対応しており、これまで多くの離婚案件を解決してまいりました。
財産分与や年金分割はもちろんのこと、お子様の大学の学費が心配など、お悩みに応じたアドバイスを致しますし、相手との代理交渉も承ります。
後悔しない離婚を実現するため、ぜひともオーセンスの弁護士へご相談ください。

オーセンスの弁護士が、お役に立てること

ご紹介した離婚合意はごく一例で、財産分与や養育費の内容も、不動産を取得する場合、養育費を一括払いで受ける場合など、ご要望のバリエーションは無数にあり得ますし、当然慰謝料など他の条項を規定する場合もあります。弊所では、お客様ごとのご要請に応じた最適な離婚条件を共に考え、相手方との協議交渉から合意成立まで最大限のサポートをさせていただきます。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、上智大学法科大学院修了。個人法務から企業法務まで多様な案件に従事する。特に、離婚、相続を中心とした個人法務については、請求側・被請求側、裁判手続利用の有無などを問わず、数多くの案件を解決してきた実績を有する。
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