コラム
公開 2021.03.05 更新 2021.10.04

子どもの親権、面会交流はどうやって決める?親権取得には、経済力が必要?

裁判所が子どもの親権を決めるときには、従前の監護状況や子どもの年齢、親子の関係性などさまざまな要素が考慮されます。
経済力も評価されますが、その点だけを判断基準にするわけではありません。
離婚後、スムーズに面会交流が進められるよう、面会交流の方法についても定めておきましょう。

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依頼者:オー子

こんにちは、オー子です

こんにちは、オー子です。
今、夫との離婚に向けていろいろな準備をしています。
夫は、不倫していた上、モラハラがひどく、最近は子どもに対しても辛く当たるので、我慢の限界に達して離婚を決意しました。
慰謝料や財産分与、離婚後の生活などいろいろな不安がありますが、知識をもって後悔しない離婚を実現したいと思っています。

離婚するときには、慰謝料や財産分与を請求できる可能性があると知りました。
私の場合、夫は不倫していて、モラハラの問題もあるので、慰謝料を請求できる可能性が高いとのこと。
ただし、夫が争ってくる場合に備え、証拠を集めなければなりません。

また、離婚する際、財産分与を求められますが、住宅ローンが残った家の分け方は特に複雑。
私は、できれば離婚後も子どもと今の家に住み続けたいのだけれど、そのためには離婚後の住宅ローン支払いがネックになってきます。
そのため、「家を売却」という流れになる可能性も考えています。

オー子の日々子どもの親権をとれるの?面会交流トラブルを避ける方法は?

慰謝料や財産分与などのお金のことについては、だいたい理解できてきたのだけれど、最近心配になっているのが「子どもの問題」。

離婚するとき、子どもがいたら親権者を決めなければなりません。
私としては、当然私が親権者になると思っているのだけれど、夫はそうでもない様子。
先日離婚をにおわせると、突然「絶対親権を渡さない!」などと言い出しました。

夫は「お前には経済力がないから親権はとれない」と言っていたけれど、本当でしょうか?

また私が親権者になれたとしても、面会交流のことで、もめそうで心配です。
夫のことだから「毎日会いたい」などと無茶を言ってきそう。
子どもの都合におかまいなしに面会を求められたとき、応じないといけないのでしょうか?

子どもの親権者の判断基準や面会交流の決め方について、教えてもらいたいです。

弁護士が解説!大切な子どもの親権、面会交流のこと

親権者について

離婚するとき、夫婦の間に未成年の子どもがいたら、必ず親権者を決める必要があります。

協議離婚で親権者を決める方法

基本的には夫婦が話し合って離婚後の親権者を決めます。
話し合いで決定するときには、夫婦が納得するならどちらが親権者になってもかまいません。

調停や訴訟で親権者を決める方法

協議離婚ができなかった場合は、裁判所の手続きを進めていくことになります。
まずは離婚調停を申し立てましょう。
ただし離婚調停はあくまで話し合いの手続きなので、親権者に関して対立が埋まらない場合「不成立」になります。

調停が不成立になったら、離婚訴訟を提起できます。
離婚訴訟になると、裁判官がさまざまな事情を考慮して、いずれかを「親権者」として指定するので、当事者の合意がなくても親権者が強制的に決定されます。

裁判所の判断基準

裁判所が親権者を指定するときには、以下のような事情が考慮されます。

  • ・これまでの監護状況、養育実績
  • ・子どもとの関係性
  • ・監護能力や監護意欲
  • ・離婚後の生活環境(住居や学校など)
  • ・養育方針
  • ・面会交流への積極性
  • ・子どもの年齢
  • ・子どもの意向
  • ・環境の変化による影響の程度
  • ・経済力
  • ・健康状態
  • ・兄弟姉妹を分離しないか

子どもが乳幼児なら、母親が親権者に指定されるケースが多いです。
また、これまでの監護状況、養育実績、離婚後に子どもとどのくらい一緒に過ごせるか(監護能力)なども重要です。
子どもの意見がどこまで尊重されるのかは子どもの年齢によって異なりますが、おおむね満10歳以上の子どもの意思が尊重される傾向にあるといわれています。

オー子さんが心配しているように「経済力」も評価されますが、判断に大きく影響するケースは少ないです。
相手から養育費をもらって生活できるなら、無職の母親にも親権が認められるケースが多々あります。

面会交流について

離婚後、面会交流を巡ってトラブルになるケースが少なくありません。
相手が非現実的な方法で面会を求めてきて困ってしまう方もいます。

面会交流は子どものための権利でもあるので、子どもが充実した楽しい時間を過ごせるよう、子どもの都合や気持ちにも配慮しながら方法を決定しましょう。

たとえば「月1回、午前10時から午後5時まで」などとするケースなどがあります(あくまで一例です)。

親子の面会交流は、裁判所でも「子どもが健全に成長するために必要」と考えられています。
離婚の際、面会交流の方法についても、しっかりと話し合っておきましょう。

まとめ

未成年の子どものいる夫婦が離婚するときには、親権者を決めなければなりません。
話し合いで解決できない場合、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てましょう。
調停でも決められない場合、最終的には離婚訴訟で裁判官が親権者を指定します。

離婚後の面会交流についても取り決めをしましょう。

親権や面会交流に関して困ったことがあれば、弁護士に相談してみましょう。親権取得に向けた準備や、面会交流の決め方について、詳しくアドバイスがもらえます。
離婚でお困りの際には、お気軽にオーセンスまでご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。
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