ご家族が在職中に亡くなったとき、遺族がやらなければならない手続きのひとつに、亡くなった方の退職手続きがあります。また、事業主が行うべき手続きがいくつもあります。
◆すみやかに勤務先へ連絡を
ご家族が在職中に亡くなった場合、事業主は、雇用保険被保険者資格喪失届や健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届などの手続きを行います。
これらの手続きには期限があるため、通夜や葬儀の場所や日時などの詳細が決まり次第、すみやかに勤務先へ連絡する必要があります。
また、近親者や特別に親しくしていた友人などは、通夜や葬儀より前に弔問に駆けつけてくれることもありますので、できるだけ早めに連絡するとよいでしょう。
◆健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当届の手続き・期限
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当届の届出は、従業員が退職した場合など、健康保険及び厚生年金保険の資格を喪失する者が生じた場合に、事業主が行います。
平成19年4月1日以降、70歳以上被用者についても届出が必要となっています(厚生年金保険法第27条に規定する 70歳以上の使用される者に、60歳代後半の在職老齢年金制度が適用されることとなったため)。
提出期限
健康保険及び厚生年金保険の資格を喪失する者が生じた場合に、資格喪失の事実発生から5日以内
提出先
日本年金機構 事務センター
届出人
事業主
必要書類等
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当
出典
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当届の様式・書き方
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/detail/files/todoke_kokuho_pdf_sikakusousitu_kokuho_a.pdf
渋谷区ホームページより
◆雇用保険被保険者資格喪失届の手続き・期限
雇用保険被保険者資格喪失届の届出は、事業主の雇用する労働者が、離職等により被保険者として亡くなった場合、事業主が行います。
雇用保険被保険者資格喪失届を提出する場合は、原則として雇用保険被保険者離職証明書の提出が必要です。
提出期限
被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内
提出先
公共職業安定所(ハローワーク)
届出人
事業主
必要書類等
雇用保険被保険者資格喪失届
雇用保険被保険者離職証明書
出典
雇用保険被保険者資格喪失届の様式・書き方
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/library/tokyo-hellowork/top/pdf/koyo003.pdf
厚生労働省 東京労働局ホームページより
◆そのほかの死亡退職の手続き
ご家族が在職中に亡くなった場合、遺族は勤務先と連絡を取り、死亡退職の手続きを進める必要があります。
・死亡退職届
死亡退職届は、遺族が記入し勤務先へ提出します。書式は会社によって異なるため、事前の確認が必要です。
・未払い給与等の精算
未支給の給与があれば精算してもらって受け取ります。
社内預金・積立を行っていた場合、従業員持ち株会に加入していた場合は、それらに関しても精算金を受け取ります。
・死亡退職金の受け取り
就業規則などに退職金に関する規定がある場合、死亡退職金を受け取ることができます。死亡退職金は生前に保持していた財産ではありませんが、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。
ただし、功労金(支払い対象は亡くなったご本人)、弔慰金(支払い対象はご本人のご遺族)といった退職金の名目によっては、非課税となる場合もありますので、詳しくは、勤務先の担当者へご確認ください。
・年金関係の手続き
年金関係の手続きは遺族が行いますが、亡くなった方が会社員であった場合、手続きに必要な書類などは、会社が準備してくれる場合が一般的です。
・埋葬料の請求
業務外の事由により亡くなった場合、社会保険から埋葬料の支給が受けられます。こちらは申請が必要となりますので、勤務先の担当者へご確認ください。
Check! 死亡退職手続きの流れ
ご家族が在職中に亡くなった場合、葬儀が終わったあと2、3日以内を目途に勤務先へ挨拶に出向き、死亡退職の手続きを行います。その際、社章や社員証、IDカード、制服などの貸与物を返却し、故人の私物があれば持ち帰ります。
健康保険証(亡くなった本人のもの+扶養されていた家族のもの)を返却しますが、組合へ直接返却する場合もありますので、事前に勤務先の担当者へ確認しておくとよいでしょう。