解決事例

男親の立場で子どもの監護権を獲得し、離婚したい。

  • ご相談者
  • 年齢:40代
  • 性別:男性
  • 子ども:あり
離婚調停を含まない、子の引渡しと監護者の指定の審判に関するプラン

 

ご相談までの経緯・背景

40代男性のA夫さんは、妻と娘の3人で暮らしていました。
教育熱心なあまり、妻は子どもに対して暴言や暴力を繰り返すようになっていきました。
「死ね!」「このできそこない!」などの言葉の暴力は日常茶飯事。四六時中、母親からのストレスにさらされていた娘は、心身ともに追い込まれてしまいました。
「子どものためにもこれ以上夫婦関係を継続させられない」と、A夫さんは離婚を決意しました。
離婚に際して、最大の懸案は子どもの監護権を得られるかどうかでした。
「妻に渡してしまったら娘は潰れてしまう」、思い悩んだA夫さんは当所にご相談にお見えになりました。

解決までの流れ

相手方である妻は、決して子どもが憎くて暴言を吐いていたのではなく、子どものためを思ってのことでした。
娘さんに対して強い愛情を持っていましたので、離婚に際して先方から監護権を手放すことは考えにくい状況でした。
A夫さんから当所にご依頼いただき、相手方に通知を送ったところ、先方は、代理人を立てて監護権を主張し、監護者指定・子の引き渡しの審判の申し立てを行ってきました。
相手方に対抗するためにも、こちらも娘さんの監護者指定についての審判を申し立てることになりました。
こちらは「A夫さんこそ監護者としてふさわしい」と主張するわけですが、当然相手方も「妻こそふさわしい」と主張してきます。
そこで、「相手方は不適切である」「A夫さんこと監護者としてふさわしい」と立証するために、さまざまな証拠を揃えていきました。

ひとつは、A夫さんが録音・録画した妻の暴言時の様子です。
妻が癇癪を起こし、自身や娘さんに対して怒鳴り始めたとき、A夫さんは冷静にその模様を録音していました。さらに、妻の目を盗んで、暴れている様子を動画にも抑えていました。

普段の娘さんの生活の様子等を把握するため、娘さんが通う学校の先生の協力も仰ぎました。
先生からは現在A夫さんのもと娘さんが健康に生活していること等を聴取することができました。

もっとも重要なのは、娘さんの意志です。
妻と娘の関係性は完全に破綻しており、娘さんはお母さんに対して怯えきっていました。
ですが、愛情が行き過ぎたゆえの暴言でしたので、「娘さんはもうあなたとは暮らしたくないと言っている」と伝えても、「娘は夫にコントロールされている」と主張するなど、なかなか認めようとはしません。
審判が進む中で、調査官調査と呼ばれるとても重要な手続きがあります。
裁判所から派遣された調査官が、A夫さん、妻、そして娘さんから意見を聞いていきます。
ここでも、娘さん本人の口から「母親とは暮らせない」と伝えました。

最終的に、何回かの期日を重ね、調査官の意見も踏まえて娘さんの監護権者をA夫さんとすることができました。

結果・解決ポイント

離婚に際して、子どもの監護者は母親になるケースが一般的です。
これは、それまでの子どもの監護状況と、これからの監護状況を総合的に判断するためです。母親が子どもの監護を行っている夫婦が多く、そうなるとなかなか父親が「離婚後は自分が子育てしたい」と言っても認められません。

今回のケースでA夫さんに監護権が認められた理由は大きく分けて2つあります。

  • 1.適切にこれまでの状況を伝えることで、相手方が監護者としてふさわしくないと主張できた
  • 2.娘さん本人の「お母さんとは暮らしたくない」という意志が強かった

この2点を適切に主張することで、監護権者をA夫さんにすることができました。
解決後、A夫さんも娘さんも心から安心され、新たな生活を送っています。
娘さんは「いつお母さんのもとに連れ戻されるかわからない」と怯えていましたが、現在は元気に学校に通っています。

お子さんのいるご夫婦が離婚を考える際、お子さんの今後について胸を痛めるのは男親も女親も同様でしょう。
財産とは違い、お子さんの体を分割して夫婦で分け合うことはできません。
我々弁護士は、ご本人にとって、そしてお子さんにとって最適な決断のお手伝いをしています。
お一人で悩まずに、まずは一度ご相談にお見えになってください。

オペレーターが弁護士との
ご相談日程を調整いたします。

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、一橋大学大学院法務研究科修了。離婚、相続問題等の一般民事事件や刑事事件、少年事件、企業の顧問など、幅広い分野を取り扱う。
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