須藤 友妃子弁護士は、幅広い案件と訴訟対応を通じて培った経験をもとに、企業が適切なリスクマネジメントを行いながら、成長を続けるためのサポートに尽力している。
「法務の力で企業の成長を支援する」その想いのもと、「法務クラウド」の活用や伴走型支援にも力を入れる須藤弁護士。
訴訟をはじめ、幅広い分野で培った知見をどのように企業法務に活かしているのか、具体的な取り組みを聞いた。
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弁護士の魅力に気付いた大学対抗の交渉コンペティション
先生が弁護士を志したきっかけについて教えてください。
弁護士になった理由は一つではありませんが、一番大きな影響を受けたのは、大学4年生のときに参加した「大学対抗の交渉コンペティション」です。
この大会では、ハーバード・ロースクールの問題を題材に、各大学の参加者が企業の法務部員や技術部員などの役割を担いながら交渉を行い、その結果を発表し、採点されるというものでした。
私も法務部員役として参加し、交渉の落としどころをどう見つけるか、どう相手を説得するかというプロセスを学びました。
この経験を通じて、問題が生じた時に法的なルールに当てはめるだけではなく、相手との関係性や将来の展望を考慮しながら、最適な解決策を模索することの重要性を強く感じました。
この大会がきっかけで、「法律を使って問題を解決し、関係者全員にとって前向きな解決を目指せる仕事」に魅力を感じ、弁護士という道を志しました。
もしコンペティションに参加されていなかったら、違うキャリアを歩んでいた可能性もありますか?
もともと私は法学部の国際関係法学科に在籍し、外交や国際関係に興味を持っていました。当初は弁護士になることを考えていなかったのです。
法学を学ぶうちに、「専門的な知識を活かして社会に貢献できる職業」に魅力を感じるようになり、弁護士を志しました。

柔軟な働き方とやりがいを感じてAuthenseへ
Auhtenseを選んだ理由を教えてください。
最初は東京の小規模な法律事務所に勤めていました。
その事務所では1年目から幅広い案件に関わり、実践的な経験を積むことができました。労働問題、家事事件、刑事事件、企業法務など、あらゆる分野の案件に携わる中で、弁護士としての基礎を築きました。
経験を積んで転職を考えた際、専門特化した事務所に行くか、引き続き多様な分野を経験できる事務所を選ぶか悩みました。
最終的に、様々な法律問題に対応できる環境があること、そして女性弁護士が活躍している点に魅力を感じ、Auhtenseを選びました。
特に、女性弁護士の働き方に対する柔軟な制度が整っていることが大きな決め手となりました。
実際、子供が小さい時期でもフルタイムで働くことができ、在宅勤務なども柔軟に対応できる環境なので、非常に助かっています。
柔軟な働き方も魅力の一つだったのですね。面接の際に印象的だったエピソードや、前の事務所との違いについてもお聞かせいただけますか?
面接では、実務的な問題が出題されました。
私が企業法務に関心があることを伝えていたので、企業法務に詳しい弁護士の先生が担当され、具体的な事例について「この場合、どのように対応しますか?」と質問されました。
たまたま、その問題が私が以前考えたことのある内容だったので、自分なりの見解をしっかり伝えることができました。
そのやり取りを通じて、Auhtenseの弁護士が実際にどのような案件に取り組んでいるのかを感じ取ることができましたし、厳しいながらも実務に即した面接であることに好印象を持ちました。
また、代表の元榮と話をした際、非常にエネルギッシュで、自由にやりたいことに挑戦できる環境であることを感じました。
その姿勢に惹かれ、「この事務所でなら自分のやりたいことが実現できるかもしれない」と思い、入所を決めました。
訴訟対応の経験が、企業法務のアドバイスにも活きる
これまで取り組まれてきた案件の中で、特に印象に残っているものや、弁護士として成長につながったと感じる案件があれば、お聞かせいただけますか?
これまで、民事、家事、交通事故、労働問題、債務整理、刑事事件、企業法務など、さまざまな分野に関わってきました。
特に企業法務に関しては、顧問業務やセカンドオピニオンの提供、企業内研修を行い、労務問題にも対応しています。
印象に残っている案件としては、企業の訴訟案件で、裁判を通じて経営者の方と深く関わり、その後、顧問契約を結ぶことになったケースがあります。
こうした案件では、裁判の方針を決める際に、企業の現状や将来のビジョンを踏まえ、最善の選択肢を一緒に考えることが重要でした。
「最終的な決断は経営者の方が納得した上で行う」ということを大切にしながら、できる限りの情報提供とアドバイスを行いました。
他には、証拠の収集や立証活動が大変だった案件がありました。
社内で発生した横領事件の立証を行った案件です。
この案件では、企業の会計システムを遡って解析し、不正取引の痕跡を裁判官に分かりやすく示す必要がありました。
技術者の方と連携しながら、パソコンの操作履歴を分析し、どのように横領が行われたのかを一つひとつ再現し、証拠として整理しました。
この作業は非常に膨大で、技術的な知識も必要だったため、試行錯誤しながら進めましたが、最終的にはこちらの主張が認められました。
この経験を通じて、「証拠をどのように整理し、裁判官に伝えるか」がいかに重要かを学びました。
今でもこの案件以上に難しい立証案件には当たっていませんが、どんなに困難な状況でも諦めずに考え抜くことの大切さを実感しました。
それは非常に貴重な経験ですね。立証活動の難しさや、証拠の整理の重要性がよく伝わってきました。
その経験が、今の企業法務の業務にも活かされているのでしょうか?
そうですね。企業法務では、契約書の精査や法務リスクの分析を行うことが多いですが、細かい証拠の確認や論理的な整理が求められる点では、訴訟案件と共通しています。
特に、契約書の文言一つが後々大きな問題になることもあるため、細部まで注意を払うようになりました。
また、裁判では「この主張をするなら、どのような証拠が必要か」という視点が不可欠ですが、それは紛争予防の観点からも重要です。
企業の経営者の方と話す際も、「将来的にトラブルにならないためには、どのような対応をすべきか」という視点を持ってアドバイスするようにしています。

「法務クラウド」は法務部員1.5人分の働き
現在注力されている案件についてもお伺いできますか?
今、特に力を入れているのが「法務クラウド」です。
これは、企業の法務部の一員として弁護士が関与する形のサービスで、通常の顧問契約とは異なり、より深く企業内の業務に入り込みます。
従来の顧問弁護士は「問題が発生したときに相談する」という形が一般的でしたが、法務クラウドでは、企業の法務部員と同じように日常的に業務に関わり、契約書チェックや法律相談、新規サービスの立ち上げサポートなどを行います。
企業の法務人材不足を補う点が大きなメリットです。
例えば、法務担当者が退職してしまった際のつなぎ役として利用されることもありますし、社内の法務リソースを補完する形で依頼されるケースもあります。
また、Slackなど社内のコミュニケーションツールを活用し、リアルタイムで相談できる仕組みを取り入れています。
そのため、対応スピードが非常に速く、企業側からも「法務部員1.5人分の働きをしてもらえている」という評価をいただいています。
加えて、副次的な効果として、企業の法務部員の方々が弁護士の思考に触れることで、法的なリテラシーが向上し、法務部全体のレベルアップにつながるという点もあります。
契約書のチェックでも、単に修正内容を伝えるだけでなく、「なぜこの修正が必要なのか」を説明することで、企業側の理解が深まり、よりスムーズな業務運営が可能になります。
非常に興味深いですね。企業側としても、単なる外部顧問ではなく、実際の業務に密着して支援してくれる専門家がいるのは心強いでしょうね。では、今後の展望についてもお聞かせいただけますか?
今後は、企業法務により一層注力しつつ、「紛争予防」の観点を強化していきたいと考えています。
訴訟対応の経験を活かし、企業がトラブルを未然に防ぐためのサポートを行い、経営の安定に貢献できるような活動をしていきたいです。
また、企業の成長を長期的に支援する「伴走型の法務支援」にも力を入れたいと考えています。
単発の案件対応だけでなく、企業が持続的に成長していくための法務サポートを提供し、経営面でも役立つアドバイスができるようにしていきたいですね。

Professional Voice

須藤 友妃子
(第二東京弁護士会)上智大学法学部国際関係法学科卒業、慶應義塾大学大学院法務研究科修了。企業法務や顧問業務、個人法務など幅広い分野に対応。個人法務では、離婚、相続、労働事件などを取り扱う。
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