ファーストキャリアは営業に従事し、描いていた弁護士像とのギャップに悩んだ日々もあったと語る三津谷 周平弁護士。Authenseに活躍の場を移し、他士業との連携を成功させた秘訣は営業時代の経験だった。
誰にも頼らずやるしかない。その決意は今、理想の実現に仲間と共に向かう原動力となっている。
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法律事務所のアルバイトで感じた弁護士の面白さ
弁護士を志したきっかけについて教えてください。
高校生の頃は医師を志望していたのですが、数学を苦手に感じ始めました。理系に進んでもつまずくのが目に見えていたんですよね。
文系に進むなら弁護士・・・?という選択も頭にはありましたが、明確に志望していたわけではありませんでした。
大学は法学部を選びましたが、潰しがきくから、くらいの感覚でした。
転機はどこにあったのでしょうか。
法律事務所でのアルバイトが転機です。所属していた法律サークルの先輩が後任を探していて、アルバイトをする事になりました。
その事務所の先生がとても良い方で、弁護士の面白さを実感することができたんです。
どういうアルバイトだったのですか?
先生が手書きで書いた訴状や裁判の書面をパソコンで打ち直していました。今思えば僕の勉強のためにしていただいた事だったのではないかと思います。
他には裁判所に書面を出したり、法務局に資料を取りに行ったり、日々の電話対応なんかもしていましたね。
特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
「弁護士の仕事は料理人と一緒」と言われたことがありました。
弁護士は目の前にある素材=事実を美味しく見えるように調理する仕事であり、素材は同じでも、弁護士の力量によって結果が変わる、という意味でした。
目の前にある事実を集めて、裁判官や相手方に対して、自分たちの持っている事実をいかに活かすのかが、弁護士の仕事だと思っています。
当時は実感できませんでしたが、今は先生の言葉通りだなと思っています。
ファーストキャリアは営業、思い描いた弁護士像とのギャップに苦悩
弁護士になられてからはどのような案件をされていたのでしょうか?
大阪にある法律事務所に入所したのですが、その法律事務所が立ち上げた民間の信託会社にも所属していました。
信託会社での仕事は、全国の地方銀行の顧客で、信託会社の遺言信託や遺産整理などの商品の利用を検討しているお客様のところまで足を運んで、商品説明や契約をし、遺言書作成や遺産整理のするお仕事をさせていただいていました。
いわゆる「営業」職に近いお仕事だったと思います。
弁護士の方がお客様の所まで行くのですか。
そうです。当時、その事務所に入所した弁護士は全員信託会社の社員にもなっていました。
営業のようなお仕事でしたので、思い描いていた弁護士像とのギャップが大きかったです。半年くらいでもう辞めたいとさえ思いました。
片道5、6時間かかるようなお客様のご自宅への訪問も何度もありました。肉体的にも精神的にも最初は辛かったですね。
信託会社の仕事に、いわゆる一般的な弁護士の仕事もあったので最初の1年は本当に必死でした。
4年半在籍されていますが、乗り越えられた原動力はどこにありますか?
入社して半年くらいの時に、自分の気持ちが切り替わる出来事がありました。
先輩がやりたくない、と言った案件を担当しなければいけない事態が突然やってきたのです。
すごく重い案件で、なんで自分が?とか、自分もやりたくない・・・、というマイナスの思考で仕事に向き合っていました。
ですが、そんなことを考えていても仕事はなくなりません笑
徐々に、誰も助けてはくれない、自分でやるしかないんだ・・・!と大きく気持ちが切り替わっていきました。
それからは少しずつ前向きに仕事に向き合うことができて、2年くらいしたら余裕が出てきましたね。
自らお客様に会いに行く、強みを活かし広げた士業提携
次に働く場所としてAuthenseを選ばれています。
Authenseの大阪支店立ち上げに伴う支店長候補を探している、という話があり、ステップアップにもつながると感じて決めました。
入所されてからはどのような案件に取り組まれてきましたか?
建物明渡というAuthenseの主力案件を大阪でも根付かせる、というのが最初のミッションでした。
幸いに、それは成功し、今でも案件の半分以上は建物明渡です。
建物明渡に加えて、自分の得意な相続案件を増やす事を考えて取り組んだのが、司法書士をはじめとする他士業の先生方との提携です。
相続が得意な士業の先生方をAuthenseの伝手で紹介してもらえた事をきっかけに、良い関係を築かせてもらって、案件をご紹介していただけるようになりました。
そこから士業提携を続けていますね。
提携関係を広げる、良いものにするために工夫されたことはありますか?
自分の強みをフルに生かしました。
「困っているお客様がいたら声をかけてください、僕がお客様のところまで行きます」と提案し、基本的にご相談料は一切いただかないようにしました。
「使いやすい弁護士」と認識してもらうためです。
最初は皆さん半信半疑でしたけど、実際本当にやるので、相談しやすさが広がった感じですね。
弁護士がいまだに殿様商売の感覚が抜けていない事は理解していますので、どの士業の方に聞いても「来てくれる弁護士はいない」と言っていました。
僕は前職でお客様に会いに行くことが当たり前だったので、これができます。他の方にはない強みと認識しています。
全員が同じ方向を向き、理想を実現する事務所へ
現在特に注力されている案件について教えてください。
大阪オフィスの立ち上げ当初からやりたいと考えていましたが、なかなか実現できず、今年から形になり始めているものが企業法務です。
Authense弁理士法人の五味先生をはじめ、色々な方からのご紹介をいただき多くの企業様とのご縁が広がっています。
Authenseが、ALSという法務のアウトソースサービスを本格的に展開し始めており、関西の上場企業様にもご活用いただいています。法務人材が不足している会社は少なくありません。
大阪オフィスの運営にあたって心がけていることを教えてください。
私自身初めての支店長で、立ち上げ当初から多くの壁にぶつかりながら、なんとか軌道に乗せようと必死でした。
開設から約5年になりますが、ようやく落ち着いてきて、こういう事務所、支店にしていきたいという思いを形にする土壌が整ってきたと感じています。
事務所、支店の全員がAuthenseのMVVやカルチャーに共感し、同じ方向を向いて、理想を実現できるように仕事をしていきたいと、今は本気で考えてます。
2024年になってそういうメッセージを発信するようになった当初、メンバーからは「急にどうしたんですか?」って言われました笑
先日開催された、Authense法律事務所のアワードでの冒頭でも、全社員の前で自分の思いを発信しました。
事務所の皆が、Authenseの一員として、ワクワクしながら、幸せな未来を描けるようにしていきたいですね。
Professional Voice
三津谷 周平
(大阪弁護士会)同志社大学法学部法律学科卒業、立命館大学法科大学院修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事から企業法務まで幅広い分野を取り扱う。なかでも遺産分割協議や遺言書作成などの相続案件を得意とする。
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