Authense法律事務所、北千住支店の支店長を務める安部 直子弁護士。事務所では初となる女性弁護士として入所してから12年にわたってクライアントに向き合い続けてきた。
「クライアントの話をよく聞き、推論・想像力を働かせること。諦めずに、徹底的に事実関係を追及し、証拠を探すこと」が重要と語る。
この考えが培われたきっかけはどこにあったのか。弁護士を志した高校時代まで遡ってルーツを探る。
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1.
高校時代から志した弁護士の道 やりがいを感じた成長の日々
まずは弁護士を志したきっかけから教えてください。
高校三年生の時に卒業生である弁護士の方から「人の役に立つ素晴らしい仕事で、自分も楽しくやりがいがある。生活もしていける」と言われて心惹かれました。
付属高校だった事もあり、受験勉強で英語をしてきた人よりも英語が劣っていると自覚していて、大学からスタートする分野の方が戦えると感じていました。また、性別的に、結婚して子供ができても続けていけるという点で弁護士は魅力的でした。
–司法試験の勉強を始めてみていかがでしたか?
卒業生の方には「頑張れば出来る」と言われましたけど大変でした笑
とはいえ、法律の勉強は楽しかったです。合っていたんでしょうね。判例をニコニコしながら読んでいました。似たような事案だけど結果が変わることに興味がありました。
司法試験合格後はどのような事務所に入所されましたか。
一見さんお断りの事務所で、一部上場企業の顧問をしていました。
労務相談、訴訟や取引先の契約書チェック、従業員とのトラブル対応などのご相談を受けていましたね。
また、不動産業の方からのご相談も多く、賃料増額、立ち退きや不動産を持っている方の破産案件、従業員とのトラブル対応、相続などにも関与しました。
仕事は面白かったですね。
どのような点が面白いと感じたのでしょうか。
年齢も性別も関係なく依頼者には弁護士として見てもらえます。会社員とは違う責任感がありますよね。
胃が痛くなる、うなされる思いをする時もありましたが、それを上回るやりがいがありました。
良い経験を積まれてきたのですね。
そうですね。また、代表の先生は弁護士としてだけでなく、人としても尊敬できる方でした。バランス感覚がすごくあって、依頼者の利益だけでなく相手の立場も考える方です。
労使でトラブルになった場合、会社側は従業員を潰そうとは思っていないんですよね。そういった思いを汲んでお互いが折り合いを付けて合意・和解できる点を探していました。
会社の方が信頼を寄せるのも理解できる対応をされていて、先生からいただいたアドバイスは今でも生きています。
苦しい中でご自身を成長させる糧になったエピソードもあれば教えてください。
Authenseに移ってからですが、労務関係の訴訟で被用者側の代理人をやったときに負けた経験があります。和解をせずにギリギリの所で負けてしまい、非常に悔しかったですね。
控訴すれば勝てる見込みがあったのですが、依頼者は「会社を相手にこれ以上は続けられない」というお考えだったので断念しました。
依頼者の方は、ずっと「会社を相手にするのは怖い」とおっしゃっていたんですよね。勝ち負けにこだわってしまっていて、もっと依頼者の方の気持ちに向き合うべきでした。
2.
柔軟さに惹かれてAuthenseへ 諦めない気持ちが結実する
Authenseにはどのような経緯で入所されたのでしょうか。
子供が生まれて時短で働ける事務所を探していました。他にも候補があった中で、元榮さんの話に感銘を受けて決めました。
事務所は全体的に落ち着いている雰囲気で、選考段階から子供の事を配慮してくれました。勤務開始時間も希望があれば調整するとおっしゃっていただけましたし、選考プロセスに含まれていた夜の食事会での面接も子供が小さい事を考慮して、違う形での選考を設定してもらえました。
自分から言い出すのを躊躇するような事も先に言っていただけて、柔軟な考えが伝わってきました。入所したいなと思いましたね。
当時はまだ弁護士も10名くらいで、女性弁護士としては私が最初に入所しました。
Authenseに入所されて、前の事務所との違いを感じたエピソードがあれば教えてください。
システム化が進んでいると感じました。マニュアルが整備されており、弁護士とパラリーガルの関係性や評価方法もシステム化されています。業務を行う上での改善がどんどん行われ、個人の能力に頼らず、システムで失敗を防ぐ体制が整っていきました。
入所した時点で完璧に揃っていたわけではなく、常に改善をし、どんどんマニュアルを変えていく姿勢がありました。良い点は外から取り入れようという雰囲気があったのを覚えています。
企業関係の案件で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
印象に残っているのは、派遣会社の従業員4~5人が一斉退職して、会社に対して残業代の支払いや パワハラの申し立てをした事例です。
依頼者の相談を受けて丁寧に事実関係を確認していくと、中心人物が新会社を立ち上げていたことが分かり、競業避止義務違反での損害賠償請求の証拠が出てきました。
この事実を追及していく過程で元従業員側の足並みがバラバラになり、一銭も支払うことなく解決しました。
成功の秘訣はどこにありましたか。
「クライアントの話をよく聞き、推論・想像力を働かせる」というスタンスです。
これは私の信条でもありますが、依頼者の話をしっかり聞いたうえで、その話に基づいて客観的に説得できる証拠を探すことを心がけています。諦めずに、徹底的に事実関係を追及することが重要だと考えています。
3.
不安を感じたらまず相談してほしい
企業内で課題を抱えている方々に向けたメッセージをお願いします。
不安な気持ちを抱えている経営者の方は、早めにご相談いただきたいです。紛争になる前の予防的な相談であれば、労力や時間もあまりかかりません。漠然とした不安でも構いません。早めに相談していただければと思います。
また、すでに問題が起きている方も、手遅れになる前に一刻も早くご相談ください。状況次第では何とかなる場合もあります。
最近はどのようなご相談が多いですか?
労務トラブルは増えているように感じます。従業員側の権利意識が高まったことでトラブルが増加しているのかもしれません。
最後に、今後の展望を教えてください。
北千住支店を地域密着型の拠点として、さらに発展させていきたいと考えています。北千住の皆さまに、安心して相談できる事務所と思っていただきたいですね。
Professional Voice
安部 直子
(第二東京弁護士会)創価大学法学部卒業、創価大学法科大学院法務研究科修了。離婚問題、遺産相続などの家事事件を中心に、個人からの依頼案件を数多く担当。これまで解決に携わった案件数は500件を超える。
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