公開 2023.12.22Professional Voice

クライアントと共に成長を目指す
Authense税理士法人代表 安彦 潤也のこだわり

インタビュー

新日本監査法人でキャリアをスタートし、コンサルティング会社を設立して代表に就任。現在は監査法人の代表社員という役割も担う安彦 潤也。

華々しい活躍を続ける中、2023年に1月にAuthense税理士法人を設立した。

「税理士は経営者と膝を突き合わせるべき」

背景にはクライアントに向き合うことへのこだわりがあった。

目次
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1.

監査は全てに通じる 新日本監査法人で築いた礎

今までのご経歴から教えてください。どのようなきっかけで公認会計士を目指されたのでしょうか?

高校時代はグレていまして、高三の夏に更生の機会がありました。高校教師をしていた親のアドバイスもあって3科目で受験できる大学を受けたところ青山学院大学の経営学部に受かったんです。

ただ、入学してまた遊んじゃったんですよね。麻雀とかずっとやっていて。やばいと思って、経営学部で一番難しい資格を取ってやろうと思って調べたら会計士でした。

合格体験記を見ると簡単に受かるみたいに書いてありますよね。でも勉強してみると全然違うんですよ。

全然違うと感じて、勉強をやめようとは思わなかったですか?

思いませんでした。1日10時間以上勉強するのはきつかったですけど、専門学校で友達ができて楽しかったんですよね。

専門学校時代の友人がAuthense税理士法人に入ってくれています。しばらく付き合いはなかったんですけど、ふとしたきっかけで来てくれて。

良いお付き合いもあったんですね。合格された時はいかがでしたか?

うちの年次の時は合格者が1日前に流出したんですよ。

そんなことがあるんですか。

ちょっとドキドキして合格を待ってたんですが、友達から聞いちゃって、あんまり嬉しかった記憶がないですね(笑)

一年目で合格したので親は驚いていました。

インタビュー_安彦 潤也

卒業後は新日本監査法人に入所されています。どういう業務をされていたのですか?

上場会社の監査が中心です。請求書のチェックなど地道な業務が多かったですね。退所する会計士が多い理由はわかりました。

今の礎となったような出来事はありますか?

監査は全てに通じます。

作業員として請求書のチェックをすること自体にあまり意味はないですが、業務を積み上げていって全体が見られるようになれば、コンサル業務を含めた全ての仕事の基礎になります。

新日本監査法人で地道に請求書へ向き合った時期がなければ、今の仕事はできていません。

ある程度経験を重ねていけば、全体が開けていくものなのでしょうか?

経験というか担当ですね。インチャージ(現場監督)の役割を担うようになると全体を見ることになります。今は4年目くらいからインチャージになると思うのですが、私のときは人手不足だったので2年目から機会に恵まれました。

役割によって変わってくるものなのですね。その他、記憶に残る出来事はありますか。

ある上場企業の担当をさせていただいた時は勉強になりました。著名な経営者の方が代表だったのですが、会社の裏側を見ることで経営の感覚、創業者の感覚に触れられるんですよね。

2.

コンサル契約は3年で終わらせる

新日本監査法人を退所された後は会社設立をしてコンサルとして独立されています。意思決定の決め手はどこにありましたか。

大手の監査法人にずっといるとスキルが伸びないと感じました。私はちょっと早めにインチャージを担当させてもらったので、全体像が見えてしまったのです。

その一方で、コンサルという立場にはすごく興味を持ちました。

先ほど申し上げたような、勉強になる企業経営者の判断を他社に転用して助言することは監査の立場だとできません。コンサルとして会社に近い立場で入りたかったのです。

コンサルとして大事にされていたことはありますか?

コンサルは長期契約をしてはいけません。

よく「前のコンサルに何年もお願いしてるけど変えたい」という相談をいただくのですが、それって改善できてないですよね。

基本的には長くて3年でコンサルの役目は終わらせなきゃいけない。ダラダラやらずにサクッと改善して契約を終了させるのが信条です。

大手になるほど長く契約するんですよ。これはコンサルじゃなくて作業屋です。担当部門の1つを外注しているみたいなイメージですね。クライアントのためにはなりません。

インタビュー_安彦 潤也

面白い考え方ですね。相談はどのような経緯で寄せられることが多いですか?

100%紹介です。新日本監査法人時代に繋がりのある方が紹介してくれています。

今までの信頼で積み重ねられているのですね。具体的にコンサルとしてはどのようなご支援をされていたのでしょうか?

わかりやすい例はIPOです。二人三脚での業務改善がオーソドックスなスタイルです。

あと、当時流行してたのはJ-SOXですね。他社に対して1億円程度で発注していた案件を、うちはJ-SOXの評価まで含めて3,000万円で受けていました。

内製化できるように採用やティーチングも行って、2年目は1,000万円、3年目に終了というコンサルティングをしました。

そうやって契約を終了させるのですね。良い形で契約を終了して満足していただければ、次の案件も来るだろう、というお考えでしょうか?

あまり次は考えていません。コンサルは終了するものだと思っています。

3.

クライアントファーストを実現するために

Authenseグループに参画された背景について教えてください。

元々Authense法律事務所の顧問をしていて、元榮さんは面白い人だなと思っていました。元榮さんから誘われたので参画してもいいかなと思ったのです。

どのようにして誘われたのですか?

元々税理士法人にしようかなと考えていたところに、秘書の方から「税理士法人に興味はありますか?」って連絡があったんですよ。

「興味がないことはないです」って言ったらランチが設定されていて。

早いですね(笑)

ランチに行ったら「いつがいいですか?」って入ることが決まってるんですよ。あとはいつなのっていう感じだったんですね。

一応「他のパートナー2人に聞きます」って言って、2人も「いいんじゃない」みたいな感じだったので加入しました。去年の話です。

インタビュー_安彦 潤也

あまりにスピーディで驚いています。グループ全体での事業構想や税理士法人の位置づけについて教えていただけますか?

グループ全体で売上100億円という話は出ています。

法人ごとに人数規模の差はありますが、どの法人にも共通している一番大切なことは「クライアントファースト」です。

グループ全体でいかに顧客満足度を上げられるか。専門性を高められるか。特にDXですね。他の士業があまりやっていない領域に力を入れていきたいです。

弁護士ドットコムはITの技術を持っていますし、弁理士の五味さんもCotoboxを経営している。

グループ全体でのAI活用など、他の士業がやっていない領域を作っていけると面白いんじゃないかと話をしています。

あとは海外展開ですね。ちょっとハードルが高いかもしれないですが、ビッグファームが海外市場を独占しているので方法を模索中です。

4.

経営者と膝を突き合わせ、共に成長をしていく

グループが一体となったシナジーはどの場面で発揮できると考えますか?

構想段階ですが、コンシェルジュ機能を作りたいという話をしています。その人に言えば解決策が示されるイメージですね。

あとはIPOやM&Aです。弁護士、税理士、社労士、特許も関係してくる領域なので親和性が高いと考えています。

Authense税理士法人のクライアントに特徴はありますか?

私たちはクライアントと一緒に大きくなろう、という考えを持っているので、これから成長していくような会社だったり、すでに規模が大きくなっている会社がクライアントです。

どういう状態の方が先生に相談すると良いでしょうか?

どの会社を見ても社長は孤独です。誰にも相談できない。ナンバーツーにすらです。

経営や数字の面に関しては、本来税理士が膝を突き合わせて話すべきなのですが、それをやらない税理士があまりにも多い。そもそも税理士が会社に来ない。試験勉強中の事務員の方が会社に来る方が多いんです。

依頼している税理士が物足りないと感じている方はぜひAuthense税理士法人まで相談にきてほしいですね。

最後に今後のビジョンを伺ってもよろしいでしょうか?

Authense税理士法人はある程度規模を拡大させて、自走する形で組織作りをしていきたいと思っています。

ただ、人数を増やしすぎるとクライアントに寄り添えなくなったり、大手コンサルのように淡々と作業するだけになってしまいます。

元々そこまで拡大させる気はないと元榮にも伝えていましたが、弁護士法人が拡大したときに、グループとして支えることを考えるとある程度の規模は必要です。

膝を突き合わせてお客様と向き合うスタンスは崩さないように拡大していきたいですね。

インタビュー_安彦 潤也

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Authense税理士法人 代表 安彦 潤也

Authense税理士法人代表 公認会計士、税理士、認定IFRSスペシャリスト。

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