公開 2023.11.02Professional Voice

裁判官から弁護士へ
森中 剛弁護士が変化を続ける理由

インタビュー

「レスポンスの早さ、弁護士としての知識と経験には自信がある」と語る森中 剛弁護士。裁判官を経て、15年以上企業法務の実務に携わってきた。

2020年にAuthense法律事務所に入所してからは幅広い企業法務案件に携わり、20社以上の顧問も務める。最近はスポーツ法務にも注力するなど、活動の幅が広がっている。

常に新しい領域の案件に取り組めるのはなぜか?森中弁護士に秘訣を聞いた。

目次
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1.

「変わらないことが不安」好奇心を武器に新しい領域の案件にも取り組む

まずは現在の役割から伺えますか?

主に企業法務の案件、契約書作成レビューや、紛争対応が中心です。損害保険、倒産処理や労働分野など幅広く担当しています。

また、スタートアップから上場企業まで、20社程度の顧問をしています。

企業の方からはどういうきっかけでご相談が寄せられるのですか?

ホームページ経由やご紹介、異業種交流会で知り合った方からご相談いただくこともあります。

具体的に課題が顕在化している方もいますし、セカンドオピニオン、サードオピニオン的に意見を聞きたい、というケースもあります。また、今後企業を成長させていく中で、弁護士が必要になってくるので、今のうちに弁護士を探しておきたいという依頼者もいますね。

最近は弁護士事務所を複数利用されている企業の方も多いですね。

インタビュー_森中 剛(第二東京弁護士会所属)

やはり先生の専門領域でのご相談が多いですか?

最近では、ITやAIに絡む知財関係、著作権や肖像権などのご相談が多いです。

これ以外にも幅広い案件に対応できるので、何かあればお問い合わせいただきたいですね。

20社程度の顧問をされているということなのですが、最近の企業課題で特徴的なものはありますか?

一概には言えないですが、そもそも法務部がない企業から、法務部があってもなかなかうまく回っていない企業もあります。

また、伝統的な会社だと顧問弁護士が先々代の社長から付き合いのある事務所で、若い法務の方がコンタクトを取りづらい、みたいな問題まで様々です。

中小企業だと顧問弁護士がいない企業もまだまだ多いので、弁護士を使う意識をどう広げるか、裾野を広げていくことが大切と考えています。

なるほど。長く企業のご支援をされてきて変化を感じる場面はありますか?

弁護士を見る目は厳しくなっています。昔はお付き合いで弁護士と顧問契約されていることもあったと思いますが、最近はシビアに比較されますね。

弁護士を見る目が厳しくなっている中で、高い評価を得る、選ばれる弁護士であるために必要と考えていることについて教えてください。

レスポンスの早さですね。

基本的にその日に返事ができるものは持ち越さないようにしています。

先生のレスポンスの早さに対するこだわりは、裁判官時代から培われてきたのでしょうか?

そうですね。刑事事件で、令状当番というのを月に1、2回担当していましたが、その場合、午前中に10件くらい記録を読んで、昼から被告人に話を聞いて勾留するかを決め、午後も同じことをやるということを繰り返します。限られた時間で判断する必要がありました。

事件の処理の仕方、物の見方のベースに裁判官時代の経験が生きていると思います。

Authenseに入られて新たに取り組まれたことはありますか?

プロサッカー選手のマネジメント事務所の顧問は新しく取り組んだことです。スポーツ法務は前からやりたかったのですが、なかなかきっかけがありませんでした。

スポーツ法務とは具体的にどのような業務ですか?

マネジメント事務所に所属している選手の契約レビュー、選手契約や移籍時の交渉に関わる契約、テレビ出演やスポンサー契約など幅広いですね。

そういった幅広い案件に対応する秘訣はありますか?

経験と好奇心を持っているかどうかじゃないですかね。

昔から好奇心は旺盛な方だったと思います、変わらないことが不安になるんです。

インタビュー_森中 剛(第二東京弁護士会所属)

2.

裁判官時代の経験が自分の筋肉になっている

ファーストキャリアは裁判官を選ばれています。選択の基準はどこにありましたか?

司法研修所時代、担当教官と仲良くなって、任官を勧めていただきました。折角の機会なのでと思って、裁判官も良いなと考えました。

弁護士事務所の内定ももらっていたんですけどね。

実務修習で裁判所って面白いなと思ったんです。自分の責任と権限で、法廷を指揮して訴訟を運営し、判決を書くという行為は、プレッシャーも大きいですが、やりがいを感じました。

先生の根底にある考えだな、と感じます。特に裁判官時代に思い出深い出来事はありますか?

当時、福岡地裁の民事部に所属していたのですが、若手からベテランまで5名の裁判官で構成されていました。幅広い経験を持っている方が近くにいて、それぞれの立場からお話を伺えました。

この時に話していただいたことが自分の筋肉になっていると思います。

その後、2年半で弁護士事務所に移られています。

自由を求めていたのが大きかったですね。退官することを伝えたときに、引き止めてくれるかなと思ったんですけど、全く引き止められなかったですね(笑)

インタビュー_森中 剛(第二東京弁護士会所属)

そうだったのですね。当時、裁判官から弁護士になる方は多かったのですか?

少ないですね。大体定年まで勤め上げてから弁護士や、公証人等になる方が多いです。

他に移る方が少ない中で、そういう選択をするのは勇気が必要だったのではないでしょうか?

裁判官を退官しても弁護士にはなれるので、あまり不安はなかったです。

理想の弁護士象、やりたい案件などはあったのでしょうか。

今までやっていた案件の種類や、自分の希望から考えても、企業法務側の事務所の方がいいなとは考えていました。

福岡の弁護士事務所に入所されてからはどういう案件に取り組まれていましたか?

企業法務系の事務所でしたが、個人事件では、当時は過払いが多かったですね。いわゆる過払バブルの時期です。

あとは契約書チェック、作成。損保会社の案件があったので、交通事故の加害者側の代理人として交渉から訴訟まで担当していましたね。

破産の申し立て、会社更生もやっていたので不動産案件にも関わらせていただいていました。

印象に残っている案件はありますか?

顧問先にファンドが入り込んできた際の買収対応、株主総会の対応は印象に残っています。

1年くらいファンドと交渉して、同業のホワイトナイトに株を買ってもらえた、という事案がありました。

そのときの法務の方が、たまたま僕の高校の先輩で。一緒に戦った同志、戦友ですね。

そういった案件の時に、メリットデメリット等々勘案しながら落としどころを進めていくような交渉があるかなと思います。そういう中で先生が心がけていることはありますか?

なんだろうな・・・。やりすぎないことですかね。

依頼者の利益を確保することは、もちろん最優先ですが、やりすぎると逆に相手方から恨みを買ってしまって、依頼者の利益を損なうこともあるので、そうならないような進め方が良いと考えています。

3.

企業法務といえばAuthenseと言われる事務所を目指して

2020年にAuthense法律事務所に入所されています。決め手はどこにありましたか?

代表の元榮と話をして「日本一の法律事務所を作る。」という壮大な目標を聞きました。

多分、こんな目標を掲げている事務所ってAuthenseくらいしかないと思うんですよね。これは面白いなと。

入所された時の雰囲気はどんな感じでしたか?

みんな仲が良いですね。パラリーガルの皆さんも、弁護士に対して、「〇〇先生」ではなく「〇〇さん」って呼びますし。

実際入ってみてもデジタル化は進んでいて、働きやすい環境でした。ノートパソコン支給で、どこでも働きやすいですし、弁護士に、それぞれIPHONEとIPADが1台ずつ支給されており、働き方の多様性が認められている感じですね。

今後、Authenseをどのような事務所にしたいですか?

「企業法務といえばAuthense」と言われるようになれば、日本一の事務所に近づくはずです。

まだ私もキャパシティはあるので、数年以内に顧問先を倍にしたいです。対応の早さ、弁護士としての知識と経験には自信があります。

割と話しやすいと言われる方なので、気軽に話せる弁護士が欲しければ声をかけて欲しいですね。

インタビュー_森中 剛(第二東京弁護士会所属)

Professional Voice

Authense法律事務所
弁護士

森中 剛

(第二東京弁護士会)

一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。

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