2010年にAuthense法律事務所に入所し、賃貸管理を中心に数多くの不動産案件を取り扱い、建物明渡訴訟の分野で国内トップクラスの実績を誇る礎を築いた森田 雅也弁護士。
現在はCLOとして、経営・マネジメントにおいてもその手腕を発揮している。
Authenseの成長を牽引してきた森田弁護士はどのような道を歩んできたのだろうか。
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1.
Authenseが一丸となるために幅広い視点で全体を統括
現在、事務所内ではどのような役割を担っていますか?
弁護士サイドの統括として、意見の吸い上げや議論の取りまとめを行っています。
また、CLOとして所内の総務的な業務統括、パラリーガルやマーケティングなど弁護士以外の部門間の調整をしています。
全体を見てボトルネックになっている点を特定したり、将来問題になりうる可能性がある点に目配せしたりして、弁護士内、弁護士以外の部門、事務所外との調整をする役割です。
幅広い役割を担われていますね。複数部門の調整が必要になるのはどのような場面でしょうか?
「すべての依頼者に最良のサービスを」というAuthenseの理念は、全部門が一丸とならなければ実現できません。
少人数で運営されている弁護士事務所と異なり、我々のように弁護士だけでも60名以上、スタッフを含めると200名以上の規模で運営するには各人のノウハウを集約し、事務所としてストックし、使いやすい情報として落とし込んでいく連携が重要になると考えています。
わかりやすい例を示すと、2010年頃から始めた「さん」付けの習慣です。
法律事務所の中には、スタッフが弁護士を「先生」と呼ぶケースも多いですが、当事務所は全部門が対等であるべきと考えているので、弁護士のことも「さん」付けにしています。
日頃の会話から協働する姿勢を作る。これはAuthenseの大きな特徴です。
2.
不動産案件急成長の根底にある「仲間は家族」
入所されてから今までの歩みについて教えてください。
最初はがむしゃらに働いてましたね。特に不動産分野では誰にも負けないくらい案件に取り組みました。
ただ、当然1人でやり続けるのは難しいので、皆が同じようなクオリティで仕事ができるようにフロー、マニュアルを整えました。
こう話すとマニュアルの通りに進めれば案件に対応できるように思われるかもしれませんが、案件によって異なる「考えるべきポイント」に注力するため、ベースとなる部分のマニュアル化を進めたのです。
裁判所の判断を受けたアップデートも重要視しています。
プレイヤーからマネージャーにはいつからシフトされたのですか。
2010年1月にAuthenseに入所し、数ヶ月後にはマネージャー業務に取り組んでいました。
当時は事務所として扱う分野を広げていた時期です。所内の意思決定プロセス、お客様にお声がけをしていく役割などの分担を進めていました。
不動産案件も当初は弁護士4人+新人3-4名の体制でしたが、今は30名近い弁護士が関わっています。依頼件数も当初の件数からは想像できないほどの件数に成長しました。
そして、仲間も増えていく中で新人教育も担当するようになりました。
2015年5月から2018年5月にかけて、多店舗を展開する東証一部上場企業の社外取締役を務めたこともあります。ビジネスに関わる上で大切な経営者目線を養うことができました。
2020年頃からはマネージャー業務を他の弁護士に引き継ぎ、全体を見ています。
新人の方にはどのような教育をされていたのでしょうか。
入所した弁護士には建物明渡訴訟から経験してもらっていました。今所属している弁護士で建物明渡訴訟を経験していないのは数人しかいません。
当事務所の特徴でもあるのですが、建物明渡訴訟においては強制執行まで行います。他事務所で強制執行まで行うケースはほとんどないように思います。
裁判手続から強制執行手続まで経験できるのは弁護士としての学びが多いと思います。
マネージャーとして大切にされていることはありますか。
弁護士は、案件や分野に対するこだわりが強かったり、それぞれ熱い思いを持っていたりするのですが、私自身は「誰と仕事をするか」が大事だと思っています。
仕事の中身も当然大切なのですが、同じ事務所の仲間は家族みたいなものです。一緒に働いてよかったと言ってもらえるのが私にとっての大きな喜びです。
非常にあたたかいお考えですね。
「俺もやるから一緒にやろう」という考えですね。私の座右の銘は山本五十六の「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」です。
3.
日本一正確で最速のサービスを提供するために
Authenseの不動産案件の強みについて教えてください。
弁護士、スタッフ共にレベルが高く、クオリティの高いアウトプットを出せる点です。期間のコントロールができ、内容もしっかりとチェックできる体制を作りました。
このような体制を作っていく中で最も気をつけた点はどこですか?
マニュアルの一番最初に「依頼者に対し、日本一正確で最速の建物明け渡しサービスを提供すること」を挙げています。
正確さとスピードを重要項目として、いかに皆でそれを満たしていくかを常に考えるようにしています。
正確さとスピードを重視した理由について教えてください。
他社と価格競争にならないためです。クライアントの方が求めていて、私たちの努力によって差別化できる点が、正確さとスピードだと確信したからです。
ここに至るまでにはどのような課題がありましたか?
初期には大きなミスをしてしまい、お客様にご迷惑をおかけした事もありました。
この経験をもとに、どうすれば同じことが起きないか、自分を含めそれぞれの弁護士の暗黙知を明文化して伝えることに注力してきました。
現在はかなり強いチームを作られているのですね。
そうですね。私たちのような規模で、高いスキルを持つメンバーが揃っている事務所はあまりないと思います。生産性はかなり高い組織です。
ありがたいことに管理会社様や保証会社様から高い評価をいただいております。以前ご担当された方が他社に移っても継続してご相談いただく事もあります。
ご依頼の件数は現在も高い水準で推移しています。
4.
Authenseといえば不動産と言われる事務所へ
今後の展望について教えてください。
Authenseといえば不動産、不動産といえば森田と言われるようになりたいですね。
不動産は企業間でも個人でもトラブルが非常に多いので、何かあれば頼ってもらえるような存在を目指しています。
また、不動産業界はDXが遅れがちです。電子契約をはじめ、システム面でも生産性が上がるような貢献ができればと思います。
事務所という視点で見ると、クライアントの皆様、世間、弁護士会、そしてAuthenseで働く仲間からも愛されるような四方良しを実現する事務所にしていきたいですね。
Professional Voice
森田 雅也
(東京弁護士会)千葉大学法経学部法律学科卒業、上智大学法科大学院法学研究科修了。不動産法務、不動産法務と切り離せない相続を中心とした法律問題に取り組む。国内総合デベロッパー、大手証券会社、不動産協会からのセミナー・講演依頼も多く、不動産法務を基軸に積極的に活動している。
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