公開 2024.04.15 更新 2024.06.10Legal Trend

元裁判官 弁護士が登壇 2023年の企業不祥事・炎上ニュースから考える 2024年に企業が取るべき対策とは?

セミナーレポート

この記事のまとめ

こちらの記事は、2024年1月24日に開催したセミナー「元裁判官 弁護士が登壇 2023年の企業不祥事・炎上ニュースから考える 2024年に企業が取るべき対策とは?」の内容を書き起こしたものです。全文を読みたい方は、無料会員登録いただくと続きをお読みいただけます。

2023年も、多数の企業不祥事が世間を騒がせました。

その中には、某芸能事務所や、某中古自動車販売会社など、不祥事が発覚してから未だに事態が収束していない問題もあります。2023年は、企業不祥事がもたらす社会への影響力と企業に与える打撃について、改めて考えさせられた1年でした。

今回は、2023年に発生した主な企業不祥事を振り返り、その企業の問題点と対策について、元裁判官の経歴を持つ森中弁護士が解説いたします。

目次
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弁護士紹介

皆様、こんにちは。弁護士の森中と申します。
本日は企業不祥事に対して取るべき対策などについて、まずは去年、実際に起こった不祥事をいくつかご紹介のうえ、お話をさせていただきます。

まず簡単でございますが、自己紹介をいたします。
2003年(平成15年)に裁判官に任官し福岡地方裁判所の民事部の裁判官として、主に民事事件を取り扱っておりました。その後、2006年(平成18年)に裁判官をやめまして福岡で弁護士登録をいたしました。福岡では企業法務を中心に取り扱っており、他にも倒産や損害保険などを主に扱っておりました。その後、2020年(令和2年)に現在の弁護士法人Authense法律事務所に入所いたしました。コロナの真っ只中に弊社に入所し、主に企業法務系の業務を担当させていただいております。また2021年(令和3年)からは、東京プロマーケットに上場しております株式会社アイダ設計という会社の社外監査役も務めております。今回あまり時間もありませんので自己紹介はこの程度に、本題に入っていきたいと思います。

このセミナーでお伝えすること

  1. 企業不祥事の概況振り返り
  2. 企業不祥事事例についての紹介
  3. 予防策
  4. 対応策

今回のセミナーの概要としては、ここに表示している通りでございますが、昨年もやはり相当数の企業不祥事が報道をされております。特に、有名な企業の不祥事が目立ったかなと思います。

また今年も、企業不祥事ではないですが、地震や事故などなかなか暗い話題が多い中での年明けとなってしまいました。今後は少しでも暗い話題が少なくなるようこのセミナーがお役に立てれば幸いと存じます。

まずは去年の企業不祥事に関する概況を振り返り、その中のいくつかについてお話をしたいと思います。そして、こちらが本当は今回のセミナーの本題だとは思うのですが、企業不祥事に関する予防策や、残念ながら不祥事が発生してしまった場合の対応策についてお話しをしていきたいと思います。

2023年 企業不祥事の振り返り

ではまず、去年の企業不祥事の振り返りということで、今こちらに「不祥事ランキング2023」という表が出ていると思います。この表は株式会社宣伝会議という会社が発行している、広報会議という雑誌の2024年1月号に掲載されている表を引用させていただいております。

全国1,000人の20代から60代の男女に、2023年1月から10月までに発生・発覚した不祥事15件のうち、イメージが悪化した出来事の上位3例までを選択してもらった結果ということです。

セミナーレポート 企業がとるべき対策とは?

これを見ていただくと分かる通り、皆様はほぼご存知の件が多いかなと思います。また、イメージが悪化した理由もさまざまかなとは思いますが、不祥事自体が大きな問題である場合や、その後の対応が良くなかった場合の両方あるかと思います。

また、回転寿司店の客の迷惑動画で対応に追われたというところが3位に上がってきております。これは正直、企業側にはおそらく責任はない案件だとは思いますが、結果としてイメージダウンにつながってしまっているということで、ここは少しかわいそうかなという気がしております。

また会社の上場・非上場という区別で見てみますと、ビッグモーターや旧ジャニーズ 事務所については皆さんご存知の大企業ではあるのですが、実は上場していない会社です。

また、上場企業の子会社や連結子会社になっている会社が目立つようです。この中でいうと、5位の四谷大塚については、東進ハイスクールなどを運営する株式会社ナガセが上場している会社ですが、その連結子会社となります。

また、6位の楽天モバイルはご存知の通り、楽天グループの100%子会社であります。また、8位の近畿日本ツーリストも、近鉄グループのグループ会社というかたちになっています。

そして上場企業本体ですと、当然、会社法や金融商品取引法、そのほかにも証券取引所の有価証券上場規定など、内部統制の整備などが求められます。また、不祥事などが発生してしまうと株価の下落に直結するということもありますので、少なくとも上場企業本体においては、法律の要求する内部統制制度もしくはコンプライアンス体制というのは整備されているはずだと思っております。その反面、上場していない会社においては、どこまで内部統制やコンプライアンス体制が整備されているのか、なかなか不透明だというところがあるのも今回のこの表に表れてるのかなと思ったりもします。

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記事監修者

Authense法律事務所
弁護士

森中 剛

(第二東京弁護士会)

一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。

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