- 会社名:株式会社JSOL
- 業種:ITサービス業
- 従業員数:1,371名
契約レビューだけでは終わらない。OJTもプレイブックも任せ、必要なときに呼び戻せる法務体制
| 会社名 | 株式会社スノーピーク |
|---|---|
| 業種 | アウトドア製品の開発・製造・販売 |
| 従業員数 | 754名(連結・2024年12月31日現在) |
| 都道府県 | 新潟県 |
| <部署・役職・担当者名> |
| 総務本部 法務部 |
| 部長 |
| 廣川 法之 |
| 総務本部 法務課 |
| 山内 大和 |
課題
- 事業が次々と拡大する中で、新しい取り組みに対する法務のスピード対応が必要に
解決策
- 法務クラウドを導入し、契約書レビューと法務相談を依頼。事業理解ができる弁護士が法務チームの一員として業務にあたる
効果
- 論点が固まる前の段階から壁打ちができ、下調べや依頼文の準備なしにスピーディーに相談できる
- 法務チームの業務の絶対量を軽減
- 新卒メンバーへのOJTとプレイブックの作成により、ノウハウが社内に残る体制を構築
株式会社スノーピーク(新潟県)は、キャンプギアの開発・製造から、アパレル、レトルト食品、カフェ、キャンプ場の運営まで、アウトドアを中心に事業の幅を広げています。新しい取り組みが次々と立ち上がる中で、法務に求められるスピードも高まっていました。
「ここまで事業に近い法務は珍しい」と語る総務本部 法務部長の廣川法之様と、新卒で法務に配属された山内大和様に、法務クラウドの活用についてお話を伺いました。
POINT
- キャンプギアからアパレル、食、カフェ、キャンプ場運営へと事業が拡大。今までやっていなかったことを手がける機会が多く、新しい取り組みへのスピーディーな法務対応が求められていた。
- 採用は理念への理解と共感を重視するため、時間がかかると判断。顧問弁護士への委託量を増やす案とあわせて3、4社を比較し、対応業務に限定がないことと事業・理念への理解が決め手となり導入。契約書レビューと法務相談で案件全体の4分の1から5分の1を処理し、事業部とも直接やりとり。
- 法務人材の採用が実現した際は、新卒で法務に配属されたメンバーのOJTを1対1で担当し、契約書の読み方からレクチャー。
- 法務リソースが充足した際は、プレイブックや社内セミナーという形でノウハウを社内に残し、一度法務クラウドを終了。その後、体制変更のタイミングで再び活用。必要なときだけ契約できる柔軟性も評価。
サービス導入の背景
法務クラウドをご導入いただく以前は、どのような体制で法務業務を回されていたのでしょうか?
廣川様:総務本部という組織があり、法務担当の執行役員がいます。彼が法務的な最終責任者で、新潟の本社からオンラインでやりとりをしています。その下に私が部長として入って法務部、さらにその下に法務課があるという構成です。法務部長と法務課長は私が兼任しています。
法務課の中には、契約を見たり法務相談を受けたりする法務チーム、商標や特許を扱う知財チーム、それにESGというチームがあります。法務クラウドを主に活用しているのは法務チームで、当時はメンバーの変遷もありましたが、2〜3名で回していました。
当時、どのような課題を抱えていらっしゃったのですか?
廣川様:当社は、ブランドをとても大事にしている会社です。もともとはキャンプギアから始まり、そこから派生していろいろな事業に展開してきました。アパレル、レトルトのカレーやウインナーといった食事業、カフェ、キャンプ場の運営まで、アウトドアを中心に事業の幅がどんどん広がってきています。今までやっていなかったことや、新しい事業を手がけることが非常に多い会社だと思います。会長の山井太の影響力も大きく、もともと新潟の小さな会社から大きくなってきた会社ですから、スピード感が求められるんです。新しいことに対してスピーディーに回答して対応しなければいけない。そこが面白くもあり、大変でもあるところかなと思います。
人手が足りないという状況に対して、法務クラウドをご検討される前は、どのような手段を考えていらっしゃいましたか?
廣川様:顧問弁護士もいますので、顧問弁護士の先生にお願いする量を増やすのも一つの方法かなと考えていました。もちろん、人材採用も選択肢としてありましたし、採用活動自体は今も続けています。
ただ、当社は何のために事業をやっているのかという理念やビジョンをとても大事にしています。そこに対する理解や共感をしてもらえる社員でないと、本気になれないのではないかと思っています。ですので採用には時間がかかるかもしれませんし、採用すればすぐ解決するという問題でもないと考えていました。
法務クラウドをお知りになったきっかけは覚えていらっしゃいますか?
廣川様:執行役員がいくつか類似のサービスを見つけてきて、提案を受けて打ち合わせをしたのが3〜4社だったと思います。彼はいろいろなところで講演もしているので、そうした中で見聞きしたのかもしれません。
複数のサービスを比較される中で、法務クラウドに決めていただいたポイントはどのあたりでしたか?
廣川様:一つは、対応していただく業務が幅広かった点です。もう一つは、事業に対する理解をすごくしていただけるなと思いました。これは運用を始めてから感じた印象も入っているのかもしれませんが、導入前から感じていました。当社の理念に対するリスペクトをよく感じたということですね。
社内で稟議を通される際に、大変だったことはありましたか?
廣川様:決裁権は私ではなく執行役員にありますので、その費用が意味のあるものだときちんと理解してもらえるかという点を、事前に説明しました。気軽に相談できて弁護士の方とコミュニケーションが取りやすい環境になりますよということなどを説明しました。
廣川様は法務のお仕事を20年ほど続けていらっしゃいます。外部の弁護士が法務課の中に入るという形に、ハードルのようなものは感じられませんでしたか?
廣川様:たしかに、私はこうしたサービスを使ったことがなかったので、どう使っていいのかという思いは多少ありました。ただ、山内はまだ入って1年ほどで、担当弁護士の櫻井さんと話をする機会が結構多かったんです。ですので山内には、普通の社内の先輩と同じような感じで使ってもらっていいんだよと話をしていました。
山内様:もともと、最初にご挨拶いただいたときに、私とは年が近いこともありましたし、とても話しやすい雰囲気もあったので、普通に先輩に聞くのと同じような感じで聞いていました。
廣川様:そういう意味では、メンターのような関係ができたのかなと思います。
導入したサービスの感想とその効果
実際にご導入いただいて、業務負荷はどのように変わりましたか?
廣川様:最初は一緒に打ち合わせに何回か入りました。依頼は自社システムで飛んでくるのですが、わかりやすく依頼内容を書いてくれる社員はそう多くないのでヒアリングが必要になります。そのヒアリングを最初の3〜4回ほどは櫻井さんと私とで一緒に行い、当社ではこんな感じでやっていますという進め方をお話しさせていただきました。
以降はほぼ一人でやっていただいています。必要に応じて依頼者にヒアリングして、契約書のレビューをしたり、調査が必要なものがあれば調べていただいたりして、内容をまとめて依頼者に回答するところまで全部です。法務部全体の案件のうち、5分の1から4分の1くらいは担っていただいているので、絶対量としても私たちの業務は減っています。
即戦力という観点からはいかがですか?
廣川様:もともと弁護士の方ですから不満も不安もありません。ですので、当社の特徴や進め方の部分だけ最初にレクチャーさせていただいて、あとはもう完全にお任せしています。
これまで20年のキャリアの中でさまざまな弁護士とやりとりされてきた廣川様から見て、社内に弁護士がいる場合のやりとりとの違いを感じられるところはありますか?
廣川様:窓口が櫻井さんと基本的に決まっているので、櫻井さんとお話をすれば済むというのは大きいですよね。
また、コミュニケーションツールも、櫻井さんとはチャットやWeb会議でやり取りできるので、気軽に話ができます。
週に1回、定例のお打ち合わせも設けていただいていますね。
廣川様:短時間で終わるときは10分くらいで終わってしまいますが、長いときは30分から40分ほど、時間を決めて行うようにしています。その場でちょっとしたことも相談しています。
外部の弁護士に相談する際には、ある程度下調べをして論点を整理し、準備をして臨みます。でも櫻井さんの場合は、社内の事情も把握していただいているので、論点がどこにあるのかというところから相談できます。事前準備なくスピーディーに打ち合わせを始められるのもいいところかもしれないですね。
事業部の方々と櫻井が直接やりとりするフェーズにも進んでいただきました。
廣川様:通常の相談のフローは、社内イントラの契約依頼のシステムから依頼が来て、私がアサインして担当を決めて、そこからというのが基本の流れです。
ただ、前回回答した案件についてということであれば、直接、櫻井さんにメールなり電話なり、チャットで連絡がいくこともあります。その場合は直接対応してもらっています。法務のメンバーとしてやってもらっているなという感じがしますね。
新卒で法務に配属された山内様へのOJTもお願いしていると伺いました。
山内様:私が法務に異動したのは10月頃で、そこから月1回、3〜4回ほどでしょうか。たとえばNDAをどうレビューするか、別の取引の契約はどうレビューするか、といったことを教えてもらっていました。
最初は全然何も分かりませんでしたので、櫻井さんのおかげで基本的なところを理解できるようになりました。法務の導入教育がある会社もあると思いますが、座学ではなく、資格を持っている現役の弁護士の方に1対1で契約書の読み方や注意しなければいけないことをレクチャーいただけたのは、すごく助かりましたし、勉強になりました。
弁護士から教わっている感覚と、身近な先輩から教わっている感覚とでは、どちらが近いですか?
山内様:櫻井さんは身近な先輩という感じですね(笑)。
特に勉強になったところは、どのあたりでしょうか?
山内様:一つは伝え方です。とても分かりやすく伝えてくださるんです。契約書の読み方を教えてもらっていたときもそうですし、他の案件について相談したときも同じなのですが、なぜこうなっているのかというところがすごく分かりやすい。そこは櫻井さんから教わったことで一番勉強になっているところで、こういう風に相手に伝わりやすく伝えられるようになりたいなと思っています。
導入サービスのおすすめポイント
契約書の審査だけでなく、プレイブックの作成もご依頼いただきました。どのような背景があったのですか?
廣川様:契約の類型によっては、ある程度まとめているものもあったのですが、まとめきれていない類型もありました。せっかくなら、どういう形にまとめられるか相談してみようということで、作ってみたのがきっかけです。
当社が販売する立場の取引基本契約について、全部の条項ではなく、いくつか抜粋した条文の解説や、レビューする際の考え方をまとめてもらいました。
そのときは櫻井さんだけではなく、Authense Consultingの方にも入っていただいて作りました。一度みんなでひな形を見ながら議論できたというのは、認識をすり合わせる上で良かったかなと思います。
現在ではプレイブックをAIに読み込ませて、初期レビューをAIにやらせたりもしています。一旦文章としてまとまったので、次の人が来たときにこれをまず見てもらうというところまでは、十分使えるものができたなと思います。
担当弁護士の櫻井が、社内セミナーも実施しました。外部から講師を招く場合と比べて、違いはありましたか?
廣川様:中小受託取引適正化法(取適法)に関係するような部門から、数十人くらいオンラインで参加してもらって、1時間ほどセミナーをやっていただきました。
セミナーの後も相談ができるというのは良かったと思います。「前にセミナーを受けたんですけど」という話からの問い合わせがあったので、直接担当してもらおうということで、櫻井さんにアサインする。距離が近いというか、すぐに振れる。まったく外部の先生を呼んでくるのとは、ちょっと違うところですね。
他にはどのような活用がありましたか?
廣川様:ひな形のレビューもしてもらいました。今こういう課題を抱えていて、こういうトラブルがあるので、それを抑止できる条文が何かないですかということで、条文を作ってひな形を書いていただいたこともあります。
あとは法務相談ですね。景品表示法の相談について調べてもらったり、櫻井さんから消費者庁に電話してもらって、まとめてもらったものを返してもらうということもしてくれていました。
その後、法務部リソースが充足したことで、一度ご契約に区切りをつけていらっしゃいます。そして体制変更のタイミングで、再びご利用いただきました。別のサービスに切り替えるという選択肢もあったかと思いますがいかがでしたか?
廣川様:それは考えませんでした。クオリティにも満足していましたので。期間は、当社は今は3か月単位だと思いますが、本当に必要なときに契約をし、必要なくなればコストを下げて契約し続けられるという意味でも、すごくコントロールしやすいですね。
採用についても、焦らず進められるという側面はありますか?
廣川様:あります。今は2名プラス櫻井さんで回していますので、納得できる人材を探せる環境が作れていると思います。
社内に弁護士がいることで、事業部との関係にも変化はありましたか?
廣川様:いいのか悪いのか、櫻井さんが弁護士だと思っていない人が結構多いんです(笑)。社内の人が勝手に直接、櫻井さんに相談したりもしているんですよね。相談しやすいという点でも、社内的にいい影響があると思います。
導入前に感じていらっしゃった課題は、解消されていきましたか?
廣川様:新しい事業がどんどん出てきて、それに対してスピーディーに対応していかなければいけないという中で、壁打ちから対応いただけています。
スムーズに対応できるし、弁護士の方にご対応いただけるのでクオリティも高い。スピード感と質の両立という意味で、すごく満足しています。
最後に、同じような課題をお持ちの企業へメッセージをいただけますか?
山内様:経験のないところから法務を始める僕のような人にも、すごくクオリティの高いことを教えてもらえるし、気軽に相談もできます。不安を抱えることなく未経験の業務に取り組んでいくことができるので、感謝しています。
廣川様:私は当社が3社目なのですが、ここまで事業に近い法務部は珍しいと思います。事業を進めるために法務として何ができるのか。もちろん場合によっては止めなければいけないときもありますが、進めるためにどういう手段があり、それぞれにメリット・デメリットがあるときちんと説明していくスタンスの法務なんですね。
その分、一つひとつの案件は時間がかかりやすいんです。そこで、法務クラウドのようなサービスを活用することで、業務量を分散できるし、櫻井さんにも担当してもらうことで、よりクオリティ高く進められます。おかげで自分たちの仕事にも集中できるし、より付加価値の高い業務に時間を使うこともできる、すごくいいサービスだなと思っています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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