リーガルエッセイ
公開 2020.04.23 更新 2021.07.19

マスク転売は禁止?

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染予防のためのマスクをいかにして入手するかということが大問題になってきていますよね。

そのような中、この時期花粉症の症状が出るから、もともと、マスクを大量に買ってあったというかたなど、マスクの需要が高まった今、フリマサイトなどでマスクを高値で売ろうかなどという思いが頭をよぎったことはありませんか?

実際に、1箱何万円というような金額でマスクが売られているのを見たことはありませんか?

先日、マスクの転売を規制するルールができました。
今回は、このルールについてとりあげます。

「国民生活安定緊急措置法」その施行令とは?

「国民生活安定緊急措置法」という法律があります。
この法律では、生活関連物資の供給が著しく不足するなど国民生活の安定に重大な支障が生じるおそれがあると認められるときは、「政令」で指定して、特定の生活関連物資について譲渡の禁止などを定めることができるとしています。

「政令」というのは、内閣が制定するルールのことです。
法律では、「この点は政令で定める」などと規定して、細かいルール作りを政令に委ねることがあります。
国民生活安定緊急措置法でも、具体的に何の譲渡禁止をするか、という部分は、別途政令で指定する、ということになっているのです。

そして、このたび譲渡の禁止などの対象として政令で指定されたのが「衛生マスク」で、その政令は、3月15日からスタートしました。

「マスクの転売」何をすればルール違反になるの?

ここで、マスクをどうすることが禁止されるのかを見てみたいと思います。
禁止されるのは、以下の3つを満たす場合です。

  • ・小売店舗など不特定の相手に販売する者から購入したものであること。
  • ・購入した価格より高額で売る行為であること。
  • ・インターネットや店舗などを通じて不特定又は多数の者に転売すること。

たとえば、Aさんが、マスクがないと言って困っている友達Bさんにマスクを売る場合は、「不特定の者に転売」という点を満たさないので、政令で禁止される行為には通常あたらないと考えられています。

ルールに違反してマスクを転売したら?

では、このルールに違反してマスクを転売したら、どのようなペナルティがあるのでしょうか?

ルール違反については、厳しい刑罰が定められています。
1年以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその双方が科される可能性があるのです。

全国的なマスク不足の事態を踏まえ、国が、順次布マスクを配布したり、民間会社がマスクの生産、販売を始めたりといった動きが出始めています。
必要なところに必要なマスクがいきわたるようになれば、自然と、業者の買い占めによる高額転売などはなくなってくるはずです。

政令の改正、そして、マスクの十分な生産と供給により、自分や大事な家族の身を守りたい気持ち、感染を不安に思う気持ちにつけこむようなマスクの高額転売がなくなりますように。

弁護士へのご相談予約で、
初回相談60分無料 ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
些細なご相談もお気軽にお問い合わせください
弁護士へご相談可能な時間帯
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00

こんな記事も読まれています

CONTACT

法律相談ご予約のお客様
弁護士へのご相談予約で、
初回相談60分無料 ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
些細なご相談もお気軽にお問い合わせください
弁護士へご相談可能な時間帯
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00
弁護士へのご相談予約で、初回相談60分無料 ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
弁護士との初回面談相談60分無料 ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます