リーガルエッセイ
公開 2022.04.07

ついに成年年齢引き下げスタート。気を付けるべきポイントとは?

ついに成年年齢引き下げスタート。気を付けるべきポイントとは?
記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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成年年齢引き下げスタート 成年年齢の持つ意味を確認しましょう

ついに成年年齢引き下げスタート

4月1日、ついに成年年齢引き下げがスタートとなりましたね。
先日、消費者庁が、1月から3月にかけて開設したホットラインに100件を超える相談があり、そのうち半数が10代から20代の消費者トラブル関連だったと発表したとの報道がありました。
その中には、すでにトラブルを抱えたかたからの相談以外に、保護者が、子どもが被害に遭うことを心配して、今後注意すべき点についてアドバイスを求めるというものもあったとのこと。

ニュースでは「成年年齢引き下げ」というワードをよく聞くようになったものの、「引き下げられたことで具体的に気を付けることは何なの?」というところが明確に理解できていないという不安、もっともですよね。

何度かに分けてお話ししていきたいと思います。

今回は、そもそもの大前提のお話。
成年年齢にどんな意味があるかというところをお話しします。

成年年齢の意味

2つあります。
1つ目は、成年になると契約できるということ。
成年になると、親などの同意なくしてひとりで契約を結ぶことができるようになるということです。
逆に、未成年者の場合は、もし親などの同意を得ずに契約をした場合、その契約は、自分が未成年者だということさえ証明できれば後で取り消すことができます。
法律で認められた強力な武器、「未成年者取消権」です。
成年になると、それを失うということ。
この未成年者取消権を失うということは何を意味するかというと、以前のエッセイでもお話ししたように、悪質な業者からねらわれやすくなるということです。

2つ目は、成年になると父母などが持つ親権の対象を外れるということ。
未成年者は、父母などの親権のもとにあるので、親権者は、法律で、子の住む場所を指定したり、職業を許可したり、子の財産を管理したりすることができることになっています。
今後は、今まで未成年だった18、19歳という年齢が成年となり、親権の対象から外れることになるのです。
ここは、もしかしたら、「親子が一緒に住んでいるんだから、うちには関係ないわ」と思うかたもいるかもしれません。
実際あまり影響を受けないというご家庭も多いかもしれませんね。
でも、たとえば、18歳、19歳がアルバイトをする場面。
これまでは、この年齢の子をアルバイトとして採用するとき、親の同意をもらうという運用だった会社において、成年年齢引き下げに伴い、親の同意不要という運用に改めるというところもあるそうです。

親子間でしっかりコミュニケーションが取れているのであれば実際問題ないのかもしれません。
でも、そこに課題がある場合、今後、親の知らないところで子どもがアルバイトをしていた、などという事態も生じうるわけです。
そうなると、本人が、仕事の内容や勤務条件などをしっかり確認する必要がこれまで以上に高まるし、雇う側が、これまで以上に丁寧な説明を尽くす必要もあるでしょう、

次回は、成年年齢の意味のひとつである契約についてお話ししたいと思います。

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