意見書、上申書を速やかに提出、略式命令請求に。
ご相談までの経緯・背景
Aさんは仕事で乗用車を運転中、一時停止義務を怠って交差点に進入したところを警察官に目撃され、運転免許証の提示を求められたことで、無免許運転の事実が発覚してしまいました。
Aさんは、約1年前にも無免許運転を犯していたこともあり、そのまま逮捕・勾留されてしまいました。
解決までの流れ
Aさんは約1年前に同じ無免許運転で罰金刑を受けていましたから、今回は、罰金刑となる略式命令の請求ではなく、正式な刑事裁判にかけられる公判請求をされるおそれがありました。そのため公判請求を避けるためには、検察官が処分を決める勾留満期までに速やかに意見書を提出するなどして、もう二度と同じ罪を繰り返さないことを検察官に説得的に主張する必要がありました。
今回は、弁護士が依頼を受けてから早急にAさんの周囲の人に働きかけ、家族だけでなく、仕事仲間にも、Aさんを支え指導監督をしていく旨の上申書を書いてもらい、勾留満期までに意見書を提出したことで、略式命令の請求にとどめることに成功しました。
結果・解決ポイント
Aさんは勾留されてから5日後に弁護士を頼み、上記の経緯を弁護士に説明しました。
Aさんは、弁護士に対し、
- 約1年前にも無免許運転で罰金刑を受けていること
- 仕事の約束があったにもかかわらず逮捕され、仕事に穴をあけてしまったから、
取引先にせめて連絡を入れなければならないこと - 家族と連絡を取りたいこと
- もう二度と無免許運転はしないこと
- 公判請求は避けたいこと
を相談しました。
相談を受けた弁護士は、Aさんが仕事の約束をしていた取引先すべてに連絡を取り、Aさんの状況などを知らせ、Aさんが何の理由もなく仕事に穴をあけたわけではないこと、Aさんが謝罪していたことなどを伝えました。
また、公判請求を避けるためには、今後Aさんが二度と無免許運転をしないよう指導監督する旨の上申書を周囲の人に書いてもらう必要があると考えました。しかも、検察官が処分を決める勾留満期まで5日しか残されていなかったため、即座に行動を開始しました。
弁護士は、時間がない中でも検察官をより説得できるよう、Aさんの家族だけでなく、仕事仲間にもAさんのために上申書を書いてもらえるよう働きかけました。
Aさんから依頼を受けた2日後、弁護士は、検察官に対する意見書と上申書を提出し、Aさんが深く反省し、今後二度と同じ罪を繰り返さないようAさんを指導監督する家族や仕事仲間がいることを伝え、公判請求をしないよう求めました。その結果、公判請求はされず、略式命令の請求にとどめることができました。
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