示談に向けた活動を行い、略式命令請求に。
ご相談までの経緯・背景
Aさんは、地下鉄の駅のエスカレーターを上っている時、動画撮影機能付きの携帯用音楽プレーヤーを使って、前に立っていた女性のスカート内の下着を盗撮しました。しかし、その女性に気付かれ、そのまま警察へ連れていかれ、迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、会社に勤める普通のサラリーマンで、前科もありませんでしたが、家庭の事情でストレスがたまり、盗撮をしてしまったのでした。
解決までの流れ
Aさんの犯罪は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金にあたる犯罪です。このうち実際にどのような刑を科されるかは、様々な要素によって決まります。
特に今回のような被害者がいる犯罪の場合、示談が成立したかどうか、示談に向けた活動を行っているかどうかが、どのような処罰を受けるかに大きくかかわってきます。
今回は、示談は成立しませんでしたが、示談に向けて謝罪文を作成し被害者に送るなど、示談に向けた活動をしていたことで、略式命令の請求にとどめることができました。
結果・解決ポイント
Aさんは、逮捕の翌日、弁護士を頼み、今回の経緯を弁護士に説明しました。
Aさんは、弁護士に対し、
- ① 今回やってしまったことは間違いがないこと
- ② 深く反省しており、もう二度と同じことを繰り返さないこと
- ③ 早急に示談を成立させたいこと
などを相談しました。
弁護士は、今後の刑事手続きの流れ、見通しなどを説明し、早急に示談に向けて活動を開始すること、そのためにも謝罪文を書くよう指示しました。
弁護士はAさんに対し、謝罪文を書くにあたっては、今回のことをしっかりと見つめ直し、なぜやってしまったのか、二度とやらないために今後どうすればいいのかを何度も考えるよう指示しました。
そして、弁護士は、担当検察官に連絡をとり、Aさんが前科もなく、今回の件を深く反省していること、被害者と示談交渉をしたいことを伝えました。
しかし、担当検察官から、被害者の被害感情は相当強く、Aさんはもちろん弁護士とも会いたくないと被害者は言っていると言われてしまいました。そこで弁護士は、せめて検察官から被害者に対して、Aさんの謝罪文を送ってもらうよう交渉しました。
こうしてAさんが今回の件をしっかりと見つめ直し、深く反省し書き上げた謝罪文は、検察官を通してではあるものの、被害者へ送ってもらうことができました。
そして、弁護士は、Aさんが被害者へ謝罪など示談に向けた活動を誠実に行い、深く反省していることを検察官に報告しました。その結果、公開の法廷で裁判され、懲役刑も科されうる公判請求ではなく、罰金を支払う略式命令の請求にとどめることができました。
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