早期に家族の協力が得られ身柄解放。
ご相談までの経緯・背景
大学生のAさんは、住宅街にある家の敷地内に侵入し、持っていたビニール傘で窓ガラスを割ってしまいました。近所の人の通報で駆け付けた警察官がAさんに事情聴取しようとしたところ、Aさんは持っていた傘で警察官を殴り、取り押さえようとした警察官の顔面を殴ってしまいました。
その結果、警察官はAさんを公務執行妨害罪で逮捕しました。
解決までの流れ
◆ 早期に家族と連絡が取れ、家族の協力が得られたこと
早期の身柄解放のためには、身柄を引き受けるご家族等の協力が必要です。そのため、早期の身柄解放のためには、早期にご家族と連絡を取ることが大切です。
◆ 早期に示談を成立させたこと
不起訴とするためには、被害者との間で示談を成立させることが重要です。比較的軽微な事件の場合には、被害弁償をし、早期に示談を成立させることで不起訴となる可能性が高まります。
結果・解決ポイント
一晩警察署の拘置所に泊まり、頭を冷やしたAさんは、翌日、弁護士に上記の経緯を説明しました。
Aさんは、弁護士に対し
- 自分がやってしまったことは間違いがないこと
- 殴ってしまった警察官や窓ガラスを割ってしまった家の人に謝りたいこと
- 家族に連絡したいこと
- 長期の身柄拘束は避けたいこと
を相談しました。
相談を受けた弁護士は、Aさんの容疑の内容を確認し、Aさんは家族と同居する大学生であること、前科がないこと等を確認したうえで、今後は検察官に送致され、勾留請求をされ、引き続き身柄を拘束される可能性があることを説明しました。
また、裁判所に働きかけをする等して身柄拘束が長引かないように努力しますと伝えました。
そして、弁護士は、取り急ぎ、Aさんのお父さんに連絡をとって、Aさんが置かれている状況を説明しました。
その結果、Aさんのお父さんは、Aさんの身柄を引き受けてくれることになりました。
しかし、検察官は、Aさんの身柄を引き続き拘束する必要があるとして、裁判所に対し勾留請求をしました。
弁護士は、Aさんが引き続き身柄拘束されることを防ぐために、裁判所に対し、本人が反省していること、父親が身柄を引き受けることを約束していることから、勾留請求を却下するよう求める意見書を提出しました。その結果、裁判所は勾留請求を却下し、Aさんを早期に身柄拘束から解放することに成功しました。
その後、Aさんはガラスを割った家の方に対し、被害弁償金を支払い、弁護士は示談を成立させました。その結果、被害者の方が検察官に対し、寛大な処分をするよう嘆願書を作成してくれました。
弁護士は、Aさんが起訴されることを防ぐために、検察官に対し、示談が成立していること、被害者の方が嘆願書まで書いていることから、Aさんを不起訴処分にするよう求める意見書を提出しました。その結果、Aさんは不起訴となり、晴れて事件が解決しました。
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