リーガルエッセイ
公開 2022.04.27 更新 2022.05.02

離婚調停の待ち時間はメンタルを保つことが難しい?

離婚調停の待ち時間はメンタルを保つことが難しい?
記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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離婚調停の待ち時間はメンタルを保つのが難しい

調停には待ち時間が計1時間もあります。
調停は、1期日大体2時間近く確保されていますが、そのうちの大体1時間くらいは待ち時間です。
自分と相手方が、それぞれ個別に調停委員がいる部屋に入って、それぞれの言い分を話します。
相手が部屋に入って話をしている間、自分は、待合室で待っている必要があるのです。

裁判所によって待合室の広さや雰囲気は違います。
でも、私自身の経験では、「広々していて、快適だわ」と思える待合室はありません。
窓がない待合室というのもあり、また、狭い中に、長椅子やパイプ椅子が詰めて置かれていて、少し重苦しい雰囲気が漂っていることが多いような印象があります。
同じ待合室には、同じように出番を待っているかたがたくさんいることが多いです。
怒っているかた、不安そうにそわそわしているかた、平日ということもあり、ひたすら仕事をしているかた。
いろいろなかたがいます。
そんな待合室で、30分×2回くらいの時間、自分の出番となり調停委員が呼びに来るのを待っていなければならない。
「相手は、今、この瞬間、調停委員に、私の悪口を言っているのではないか?」
「相手の話を調停委員がうのみにして、不利な流れになってしまったらどうしよう・・・」
そんなことを考えて気がめいってくるのも仕方がないことです。
そして、自分の順番になって調停委員のいる部屋に入るころには、心身共に疲れ果ててしまって、待っていた間にマグマのようにたまった相手への怒りや、今後についての不安をただただ調停委員にぶつけてしまい、せっかくの自分の持ち時間があっという間に過ぎてしまうなんてことも。
結局、今回の調停でも、何ひとつ前に進んだ感触が得られないままに、次回の期日を決めることになってしまった。
そんなこともあると思います。

でも、調停は、1か月~2か月に1回くらいの頻度でしか期日が入らないことが多いのです。
そう考えると、せっかくの調停期日でできることを最大化していきたいですよね。
実は、待ち時間の過ごし方が、調停期日を意味あるものにすることに役立ちます。
そんな待ち時間を戦略的に使うための方法を次の投稿でお話ししたいと思います。

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