リーガルエッセイ
公開 2021.01.25 更新 2021.07.18

逮捕が続く「持続化給付金不正受給」について 

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら

持続化給付金不正受給「自首しそびれていたら、警察から電話が・・・」

先日、持続化給付金の申請期限が2月15日まで延長されたと報じられましたね。
その持続化給付金の不正受給については、最近も続々と警察による逮捕の記事が報じられています。
先日は、多額の犯罪利益を得ていたと思われる首謀者が逮捕されたとか、現職の税理士が逮捕されたとか報じられており、警察の捜査が徐々に進んでいるのを実感します。
報じられた件の事実関係はまだわかりませんが、一般的に、受給申請をした名義人についての捜査をする中で不正を認知し、その名義人の捜査から、徐々に突き上げていって指南役、首謀者にたどりつくというパターンもあれば、そのようにして特定した指南役の捜査を経て、逆に、その指南役が関わった名義人を認知するパターンもあるでしょう。

不正受給に心当たりがある場合は、なるべく早く弁護士にご相談頂くようこちらのエッセイでも呼びかけてまいりました。
実際、その呼びかけに応じ、多くのお問い合わせを頂きました。
そして、自首することによりどのような効果があるか、リスクがあるかということをご認識頂いた上で、その後、自首を選択されたかたについては、自首のサポートをしてまいりました。
中には、もちろん、自首を選択しなかったかた、いまだに自首について悩まれているかたもいます。
自首しなければ、万が一にも自分の関与が発覚しないかもしれない、なのに、自首したら100%犯行は発覚する、と考えたとき、自首の選択に踏み切れないかたがいることも十分理解できます。

ただ、そのようなかたから改めてご連絡頂き、「自首をためらっているうちに、警察から電話があって、不正受給について話を聞きたいと言われた」と伺うこともあります。
先に、不正受給に関わった指南役などが捕まり、自分が関わった名義人を供述することもあるでしょうし、警察がメッセージのやりとりなどから名義人を解明することもあるでしょう。
いずれにせよ、自首をしない間に警察から呼び出しを受けた、というかたからご相談頂くことがありますが、自首のタイミングを逸したということで、焦り、不安に思われますよね。
すでに自首は成立しないけれど、警察の取調べで何を話せばいいかわからない、自首しないうちに自分の関与が知られてしまった以上、厳罰に処せられるのではないか、少しでも処分を軽くしてほしい、などというご不安を抱えたかた、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
ご自身のしたことが、すでに警察に発覚しているとすれば、自首は成立しません。
でも、弁護士が、弁護人になって、初めての取調べでどのようなことを質問されそうか、どのような点に注意して供述したらいいか、供述調書を録取されるときに気を付けることはなにか、今後の処分の見通しはどうなるか、などを丁寧に説明致します。
そして、依頼人のかたの担当になった弁護士が、依頼人のかたの身柄拘束を避け、少しでも処分が軽くなることを目標に、最後まで全力でサポートいたします。
万一、すでに逮捕されてしまったという場合は、ご本人は相談にいらっしゃることはできませんから、なるべく早く、ご家族のかたがご相談にいらしてください。
ご家族一丸となって、控える裁判の対策を立て、ご本人様ともしっかりと接見してコミュニケーションをとり、ご本人様、ご家族様の不安をひとつひとつ解消していきます。
ぜひ一度、ご連絡ください。

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