リーガルエッセイ
公開 2020.08.13 更新 2021.07.18

たまには、リーガルではないお話を

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら

こちらのエッセイでは、私が担当することの多い刑事事件や家事事件を中心に、日々報じられるニュースの簡単な紹介、私自身の感想などを書いていますが、たまに、全然リーガルな要素のない話を書きたくなってしまうときがあります。
どういうときにそのような話をしたくなってしまうかというと、身の回りで心が動く話を見聞きしたときと自分の気持ちが少し落ち込んでいるときです。
今日は、後者です。

振り返ると、仕事に就くまでは、たとえば、小学生のときのスポーツ大会だったり、中学生以降は定期試験や資格試験だったり、必死で頑張って練習したり勉強したりすれば、その分だけわかりやすく成果が出たように思います。
がんばりから成果までのスパンが短かったように思います。
でも、仕事に就いてからは、新人のときには新人のときのたいへんさがあり、少しだけ慣れてきたらまたその慣れてきたときなりのたいへんさがあり、さらに経験と知識が蓄積されてきたらまたその状態なりのたいへんさがあり…いつか、息を吐くように難なくあらゆる仕事をこなせるような状態になるのだろうなと夢見ていたものの、とんでもない話で、常に、やればやるほど自分の不足しているところが見えてくるんです。
常に目の前のお客様と真剣に向き合って、ひとつひとつ最善の解決を目指していることには自信があります。
でも、「知らないことがたくさんあって、まだまだ勉強不足」とがっくりきたり、「もっといい解決を目指せる自分にいつかなれるのだろうか。そのために今何を勉強すればいいのか」と焦ってみたりして気持ちがそわそわしてしまうことがあります。
特に、今年は、コロナの影響もあり、この先健康に過ごせるかという不安も頭をもたげ、先が見えなくなって不安になることが多いように思います。
みなさんもそのようなことってありませんか?

「Connecting the dots」

人によっていろいろだと思うのですが、私自身は、常に、わかりやすい目標を掲げて、それに向けて邁進できていることにとても安心を感じていて、逆にその目標がぼやけていると、不安を感じやすいんです。
今、まさにそのような状態にあるなと感じています。
そんなとき、私が必ず戻ってくる言葉があります。
それは、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語ったという有名な言葉「Connecting the dots」です。
いろいろな翻訳の仕方があると思いますが、私は、「今は、ひとつひとつやっていることの意味がわからなくても、一生懸命点を打ち続ければ(目の前のことをやり続ければ)将来点と点はつながる、どうつながっていくか、今はわからないもので、将来振り返ったときにわかるものだ」という意味であると理解しています。
ときには、自分がやっていることがどういう方向に向かっているのか、先を楽しく思い浮かべてみたり、振り返って線としてつながっているところを確認してみたりということをしつつも、まずは、ひたすら、がむしゃらに点を打ち続けること。
結局私はそこに帰ってきて、「さあ、今日も深夜寝落ちるまで全力で仕事をするぞ」と自分を奮い立たせています。

今日も1日、お客様とともに

相手との話し合いがスムーズにいかなかったり、何から何までこちらの提案に反発し、いつ終わるとも知れない調停に月1回足を運んだりしたりしていると、「いったい自分の将来はどうなるのだろう」と思われる方も多いと思います。

お客様からも、「私は、いつかすっきりした気持ちになれることがくるのでしょうか?」というお声を聞くこともあります。
でも、そのようなときは、点を打ち続けているときなのかもしれませんよね。
意味がないということは絶対にないし、あとで振り返ったときにそのとき立っていた場所から今を振り返ったら、「あ、今のこの状況のためにあのときのがんばりの毎日があったのだ」と思える時があるのかなと思っています。

ひとりで法律的な問題を抱えて解決しようとすることはとてもたいへんなことだと思います。
弁護士の仕事のメインはもちろん法的サポートですが、お客様と丁寧にコミュニケーションをとりながら進めていきます。
そうしているうちに、お客様が、問題を乗り越え、新しい一歩を踏み出す力が湧いたといってくださるかたもいらっしゃいます。
お客様にそう言っていただくことをいつも目指さなければならないと思っています。
今日も1日、お客様とともにがんばります。

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