リーガルエッセイ
公開 2020.04.14 更新 2021.07.18

DV被害 すぐに相談を

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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フランスではDV報告が3割増

新型コロナウイルスの感染拡大は、DV被害の実態にも影響を与えていると報じられました。
フランスでは、DVの報告が3割増えたというのです。
新型コロナウイルスの感染拡大により外出制限が続く中、暴力を振るう配偶者と被害者が長い時間を過ごすことを強いられていることが原因だとされています。

フランスだけではありません。
イギリスでも、DV電話相談件数が通常より25%増えたり、イタリアではDVが背景とみられる殺人事件等が報じられたり、アメリカでもDV相談窓口へのアクセス数が急増したりしているとのこと。

国連女性機関ではこのような状況を踏まえ、各国に対し、オンラインの相談窓口を拡充したり、被害者の一時的な避難場所となるシェルターを確保するなど支援強化をするよう呼び掛けており、これに応じ、スーパーや薬局に相談窓口を設けたり、対面相談窓口を閉鎖したかわりに電話等での相談を受け付けることにしたりといった対応を取り始める国もあるようです。

新型コロナウイルスの感染拡大の状況については、国によって全く異なっているものの、先日緊急事態宣言が発令された日本でも、不要不急の外出を自粛することが求められ、在宅の時間が増えています。

また、この感染拡大の動きが家計に影響を及ぼし、業態によっては収入に深刻な影響が及んでいることも連日報じられています。

そのような中、先日、妻が、新型コロナウイルスの影響で収入が減るかもしれないと言ったことに端を発して口論となり、夫が妻に暴行を加えたとして夫が逮捕されたというニュースも報じられました。
新型コロナウイルスの感染拡大が、家庭内のDV発生に与える影響は、日本でも直面している深刻な問題であるといえそうです。

DV被害に遭ったらすぐに相談を

DVは、配偶者等の間で行われる犯罪であるため、もともと発覚しにくいものです。
それでも、これまでは、被害に遭っているかたの勤務先の同僚や知人などが異変に気付いたりするケースもあり、それをきっかけに相談するチャンスがあったことでしょう。

しかし、今は、みなが外出自粛を求められる中で、外の人との接触が減り、これまで以上に、外の人たちがDVに気付く機会自体が減っていると思います。

しかも、DVの加害者である相手が、この情勢で仕事を休んでいるとか、在宅勤務になったとかで終日家にいるという状況だと、被害に遭っているかたが外に助けを求めたくてもそのチャンスをなかなか見つけられないということも予想されます。

助けを求めることが非常に難しいという状況であることを前提にしても、やはり、DV被害に遭われているかたには、すぐに相談をして頂きたいと思います。

いろいろな相談窓口があります。
そして、今どういう状況にあるのか、どうなってほしいかなどによっても取るべき対応は少しずつ違ってきます。

たとえば、今まさに暴力を振るわれてけがをしたという状況で、相手に刑事責任を負わせたいのか、継続して暴力を振るわれていて、そんな相手からの接触をしばらく断ち、その間に転居すること望むのか、このようなことと並行して法的にも離婚することを望むのか、など。

でも、自分はいまどういう状況にあって、どこに相談すべきなのか、ご自身でひとつひとつ調べて対応することは難しいと思います。

身の危険を感じたときは、ためらわずに110番通報です。

そして、何をどうしていいかわからないが、そのことを相談する時間的余裕があるときなどは、弁護士に相談してみてください。

被害に遭われているかたの状況をお伺いして、何をすべきかアドバイスしますし、ご依頼を受けて、一緒に手続きをしたり、代理人として相手と話し合いをしたり、警察とのやりとりを代行したりということもできます。

相談窓口などについて調べる時間的余裕がある場合は、一度、内閣府の男女共同参画局のホームページにある「被害者の要望別支援方法」というページを見てみてください。
どのようなことをご希望か、により、具体的にどこに相談したらいいかということがとてもわかりやすく書いてあります。

そして、繰り返しになりますが、これは、あくまでも調べる時間的余裕がある場合の話です。
その余裕がなく身の危険があるときは、ためらわずに110番通報をされることをお勧めします。

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