リーガルエッセイ
公開 2022.06.24

山梨県内で発生した桃の大量盗難被害について

山梨県内で発生した桃の大量盗難被害について
記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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桃の大量盗難被害

山梨県内で、収穫前の桃が、大量に盗まれたと報じられました。
その数は、1万4000個以上にのぼるということです。

この報道を目にしたとき、まず思ったのは、桃を盗んだ人間には、間違いなく想像力が欠けているのだろうなということです。
まともな想像力があれば、収穫を1週間後に控えた桃や、その下に敷かれた、日の光を反射して桃の色付きをよくするためのシートなどを見たとき、この桃がここまで育つために、丹精を込めて大事に大事に手をかけてきたかたの存在が思い浮かび、それを無残にも刈り取って盗んでしまうなんてことをできるはずがないのです。
桃は、ちょっと乱暴に扱うと傷みやすく、特に丁寧に取り扱われる果物なのではないかなと思います。
それを荒々しく刈り取り、一気に持ち去るなんて、そこに心ある人間の姿が思い浮かべられません。
被害に遭われたかたの心中を思うと、その財産的損害はもちろんですが、子どものように大事に育ててきたと思われる桃を乱暴に持ち去られたことでどんなにか傷つかれているであろうと胸が痛みます。

こんな卑劣な犯行を根絶するためには、彼らの目的である販売のルートを断つ必要があると思います。

あからさまに正規の販売品でないものを絶対に買ってはいけないのだと思います。
「相場より安いから」などという理由で買ってしまえば、それは、心無い卑劣な犯行に加担したとさえいえます。

なにより、それが盗品だと知って買えば、犯罪になり得ます。
盗品等有償譲受け罪が成立し得るのです。
この犯罪に関しては、果たして、それが盗品だと知っていたか否かという点が問題になることがあります。
たとえば、今回の桃で言えば、明らかに色づいていなかったり、それが、農園の名前や販売元などが全く記載されていないままに大量にまとめて売られていたり、値段が、通常より安かったり、その直前に桃の大量窃盗の報道がなされていたり、などという事情を総合考慮して評価することになるのではないかと思います。

多少販売ルートがあやしげでも、安く手に入れたいという買い手がいなければ、売買が成立し得ないということを認識するとともに、そのような売買の場となり得るネット上のフリマサイトなどにとっても、いかにして盗品の売買を根絶していくか考えるきっかけになってほしいと思います。

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