コラム
公開 2025.05.30

単体1908_テコ入れ_インスタの開示請求の進め方は?概要や流れを弁護士がわかりやすく解説

インスタ(Instagram)は、実名で行う人もいる一方で、匿名ユーザーも少なくありません。
そして、なかには他者を誹謗中傷する内容を投稿するユーザーも存在します。

誹謗中傷に対しては、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置をとることが検討できます。
しかし、相手が誰であるのかわからなければ、これらの法的措置をとることは困難です。
そこで、これらの法的措置に先立って、開示請求を検討することとなります。

では、インスタの開示請求とはどのような手続きなのでしょうか?
また、開示請求を成功させるには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
今回は、インスタの開示請求の概要や目的、流れや開示請求を成功させるポイントなどについて、弁護士がくわしく解説します。

なお、当法律事務所(Authense法律事務所)はインターネット上での誹謗中傷対応に力を入れており、インスタの開示請求についても豊富な成功実績を有しています。
インスタの開示請求ご検討の際は、Authense法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。

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インスタの開示請求とは

インスタの開示請求とは、Instagram(インスタグラム)の運営者であるMeta社や、誹謗中傷の投稿をしたユーザーが使用したアクセスプロバイダ(SoftbankやNTTなど)に対して、投稿者を特定するための情報開示を求める手続きのことです。

ただし、Meta社やアクセスプロバイダに対して直接情報の開示を求めても、応じてもらえる可能性はほとんどありません。
権利侵害の事実がないにもかかわらず誤って情報を開示してしまうと、開示対象者からMeta社やアクセスプロバイダに対して法的責任を追及される可能性があるためです。
また、民間企業であるこれらが、権利侵害の有無を的確に判断することも困難です。

そのため、開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。
開示請求を自力で成功させるハードルは高いため、お困りの際はAuthense法律事務所までご相談ください。

インスタの開示請求をする目的

インスタの開示請求は、理由もなく行えるものではありません。
ここでは、インスタの開示請求をする目的について解説します。

誹謗中傷をした相手に損害賠償請求をすること

開示請求の目的の1つ目は、誹謗中傷をした相手に対して損害賠償請求をすることです。
損害賠償請求とは、相手の不法行為(問題のある内容の投稿)によって生じた損害や精神的苦痛を金銭の支払いで償うよう、相手に対して求めるものです。

損害賠償請求を、相手の身元がわからない状態で行うことはほぼ不可能です。
インスタのDMなどで「〇〇円の賠償金を支払ってください」などと連絡をしても、相手にDMを閉じられてしまえばそれ以上の追及は困難でしょう。
そこで、損害賠償請求に先立って開示請求を行い、身元を特定することとなります。

インスタの開示請求によって相手の身元が特定できたら、まずは弁護士から判明した住所宛に書状を送るなどして損害賠償請求をすることが一般的です。
この時点で相手が支払いに応じない場合には、訴訟を提起して賠償金の支払いを求めることとなります。

誹謗中傷をした相手を刑事告訴すること

開示請求の目的の2つ目は、インスタで誹謗中傷をした相手を刑事告訴することです。

インスタでの誹謗中傷は、その内容によって、刑法上の侮辱罪や名誉毀損罪、脅迫罪、業務妨害罪などの罪にあたる可能性があります。
とはいえ、よほど大々的になされた脅迫などでない限り、これらの罪を警察や検察が独自に捜査することはほとんどありません。

なかでも、侮辱罪と名誉毀損罪は被害者側からの告訴がなければ起訴ができない「親告罪」とされています。
そのため、インスタで誹謗中傷をした相手に刑事責任を追及したい場合は、刑事告訴をすることとなります。

刑事告訴は本来、相手の身元がわからなければできないというものではありません。
しかし、告訴をスムーズに受理してもらうには、あらかじめ身元の特定までは行っておくべきでしょう。

告訴が受理されると、警察や検察で捜査が開始され、必要に応じて投稿者が逮捕されます。
その後、起訴(刑事裁判を開始すること)か不起訴(刑事裁判を開始せず、事実上の無罪放免となること)かが決まり、起訴されると刑事裁判が開始されます。
刑事裁判では、有罪・無罪と、有罪の場合には具体的な量刑が決まります。

ただし、インスタでの誹謗中傷事件ではよほど悪質な場合や前科がある場合などを除き、不起訴となったり執行猶予がついたりすることがほとんどです。
そのため、「費用対効果」なども踏まえ、刑事告訴まで行うか否かを検討することをおすすめします。

(参考)嫌がらせ目的での開示請求は認められない

インスタへの開示請求は、嫌がらせ目的で行うことはできません。
たとえば、相手の情報をSNS上で「晒し」たり、相手の自宅に突然訪問したりする目的では行えないということです。
あくまでも正当な法的措置をとることが目的であり、それ以外の目的では行えないことを理解しておきましょう。

インスタで開示請求をする流れ

インスタで誹謗中傷をされた場合、開示請求はどのような流れで行えばよいのでしょうか?
ここでは、開示請求をする基本的な流れについて解説します。

誹謗中傷の証拠を残す

インスタで誹謗中傷をされていることに気付いたら、すぐに証拠を残します。
証拠がなければ、開示請求が困難となるためです。

すぐに証拠を残さないと、相手が問題の投稿やコメントを消してしまうかもしれません。
また、第三者によるインスタへの「通報」によって消える可能性もあるでしょう。

さらに、投稿がインスタの「ストーリー」機能を使っている場合、投稿から24時間が経過すると投稿は自動的に消えてしまいます。

インスタでなされた誹謗中傷の証拠は、スクリーンショットの撮影で残すことが一般的です。
証拠を残す際は、誹謗中傷の内容のほか、投稿された日時がわかるように撮影してください。
また、これに関連する前後のやり取りがある場合には、そのやり取りについても証拠を残しておきましょう。

弁護士に相談する

証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へ相談します。
早期に相談することで、万が一証拠が不足しても問題の投稿が消える前に追加で証拠を確保しやすくなるほか、ログの保存期間内に開示請求ができる可能性が高くなるためです。

弁護士へ相談することで、そのケースにおける法的措置などの見通しが立てやすくなります。
弁護士からの助言を踏まえ、具体的に取るべき法的措置を検討するとよいでしょう。

相談先は、インターネット上での誹謗中傷トラブルの取り扱い実績が豊富な事務所を選ぶことをおすすめします。
Authense法律事務所はインスタへの開示請求についても豊富な実績を有しているため、お困りの際はお気軽にご相談ください。

開示請求をしてIPアドレスなどを入手する

弁護士に依頼をしたら、まずはインスタの運営会社(Meta社)に対して開示請求を行います。

このステップではまず、投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報を入手します。
Meta社は、投稿者の本名や住所までの情報は原則として保有していないためです。

先ほど解説したように、この開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。

アクセスプロバイダに開示請求をして契約者氏名などの情報を入手する

Meta社からIPアドレスやタイムスタンプなどの情報を入手したら、これをもとに投稿者が接続に使ったアクセスプロバイダ(SoftbankやNTTなど)に対して開示請求を行います。
これにより、プロバイダ契約者の住所や氏名などの情報が入手でき、投稿者の特定につながります。
この開示請求も、原則として裁判手続きによって行います。

(参考)発信者情報開示命令とは?

2022年10月1日に施行された改正プロバイダ責任制限法により、新たに「発信者情報開示命令」が創設されました。
これは、インスタなどコンテンツプロバイダへの開示請求とアクセスプロバイダへの開示請求を一本の手続きで行えるものです。
これにより、投稿者特定までにかかる時間や手間を削減できます。

ただし、発信者情報開示命令は非訟事件であることから、相手方(プロバイダ)が開示を拒むなどすると、むしろ手続きが長引く可能性もあります。
そのため、従来からの発信者情報開示請求を使用するか発信者情報開示命令を使用するかは、状況に応じて柔軟に検討する必要があるでしょう。

インスタの開示請求を成功させるポイント

インスタの開示請求を成功させるには、どのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか?
ここでは、主なポイントを3つ解説します。

早期に対応に取り掛かる

1つ目は、早期に対応に取り掛かることです。
なぜなら、投稿のログはプロバイダ側で永久に保存されるのではなく、一定の保存期間が経過すると消えてしまうためです。

開示請求が認められても、そもそも開示を受けるべき情報をプロバイダ側が持ち合わせていなければ、情報の開示を受けようがありません。

ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3か月から6か月程度が目安とされます。
インスタで誹謗中傷をされていることに気付いたら、この期間に間に合うよう、早期に対応に取り掛かることをおすすめします。

開示請求に強い弁護士へ相談する

2つ目は、開示請求に強い弁護士へ相談することです。

弁護士にはそれぞれ、得意とする分野があることが少なくありません。
なかでもインターネット上での誹謗中傷トラブルは近年新たに誕生した類型であり、力の入れ具合は事務所によってまちまちでしょう。

インスタへの開示請求を成功させるには、法令のみならず手続き面などのノウハウも必要とされます。
そのため、インスタへの開示請求を成功させたいのであれば、開示請求に関する実績が豊富な事務所を選ぶことをおすすめします。

なお、Authense法律事務所はインスタの開示請求について豊富な実績を有しており、安心してお任せいただけます。

焦って削除請求をしない

3つ目は、焦って削除請求をしないことです。
削除請求とは、問題のある投稿やコメントをインスタの運営会社に「通報」をして削除を求めるものです。

インスタでの誹謗中傷に対して開示請求を検討している場合、焦って削除請求をすることはおすすめできません。
なぜなら、削除請求が認められれば、開示請求の証拠として必要な投稿やコメントが消えてしまうことになるためです。

そのため、開示請求を予定している場合において削除請求もしたい場合には、まず弁護士へ相談して証拠が十分であることの確認を受けたうえで、削除請求に進むことをおすすめします。

インスタの開示請求に関するよくある疑問

最後に、インスタの開示請求にまつわるよくある疑問とその回答を3つ紹介します。

開示請求は自分でもできる?

インスタへの開示請求は、自分で行ってはならないわけではありません。
しかし、開示請求は決まった様式の該当箇所を埋めるだけで簡単にできるものではなく、法令や裁判手続きに関する正しい理解が必要です。

また、手続き方法などを調べているうちに時間が経ち、ログの保存期間に間に合わなくなってしまっては本末転倒でしょう。
そのため、無理に自分で行うのではなく、弁護士に相談することをおすすめします。

インスタの開示請求について相談できる弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までご相談ください。

誹謗中傷から時間が経っていても開示請求できる?

インスタへの開示請求は、誹謗中傷の投稿から時間が経つと行うことが困難となります。
先ほど解説したように、一定期間が経過するとログの保存期間が切れてしまい、開示を受けようにも対象の情報がない事態となるためです。

そのため、インスタで誹謗中傷をされたら長期間対応に悩むことは避け、早期に弁護士へご相談ください。

開示請求は必ず認められる?

開示請求は、手続きをしたからといって必ずしも開示が受けられるわけではありません。
情報の開示が相当であると裁判所に判断されるには、インスタになされた問題の投稿やコメントが権利侵害にあたるものである必要があります。

しかし、ある投稿やコメントが権利侵害にあたるか否か、自身で判断することは容易ではないでしょう。

そのため、インスタで誹謗中傷をされてお困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
ご相談いただくことで開示請求が認められそうか否かの見通しが立てられ、その後の対応方針を定めやすくなるためです。

まとめ

インスタへの開示請求の概要や開示請求の流れ、開示請求を成功させるポイントなどを解説しました。
インスタへの開示請求とは、インスタで誹謗中傷をした相手の身元を特定するための手続きです。

インスタでの誹謗中傷は匿名(偽名)でなされることが多く、一見しただけでは投稿者を特定できません。
そこで、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置に先立って開示請求を行い、相手の身元を特定するステップを踏むこととなります。

しかし、インスタへの開示請求は原則として裁判手続きによる必要があり、そのハードルは低いものではありません。
また、開示請求が認められるためには、権利侵害にあたることも必要です。

そのため、インスタになされた投稿やコメントでお困りの際は、1人で悩まず、早期に弁護士へご相談ください。
弁護士へ相談することで、そのケースにおける開示請求の可否などの見通しが立てられ、具体的な対応策を検討しやすくなります。

Authense法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルにまつわる解決実績が豊富であり、インスタの開示請求も数多く成功させてきました。
インスタの開示請求をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

記事を監修した弁護士
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Authense法律事務所記事監修チーム
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