LINEオープンチャットで誹謗中傷の被害に遭った場合、相手が誰であるのかわからないことも少なくないでしょう。
この場合は開示請求を行い、相手の身元を特定できる可能性があります。
では、開示請求はどのような流れで進めればよいのでしょうか?
今回は、オープンチャットで誹謗中傷の被害に遭った場合の開示請求について弁護士が詳しく解説します。
目次
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LINEオープンチャットとは
LINEオープンチャットとは、「ゲーム」や「子育て」、「お店情報」など共通の趣味や話題を持つたちと、LINEのIDを交換することなくグループチャットで会話ができるサービスです。
オープンチャットはLINEのアプリを使って行いますが、相手にIDは通知されません。
また、ニックネームやプロフィール画像も通常のLINEで使用しているものとは異なるものを設定できるため、原則として投稿者が誰であるのかわからないことが特徴です。
オープンチャットで誹謗中傷された場合にとり得る主な法的措置
LINEオープンチャットでは、誹謗中傷の投稿がなされることもあります。
では、オープンチャットで自身や自身の運営する店舗・企業などが誹謗中傷の被害に遭った場合、どのような法的措置をとることができるのでしょうか?
ここでは、誹謗中傷に対してとり得る主な法的措置を解説します。
開示請求
1つ目は、開示請求です。
開示請求とは、誹謗中傷の投稿をした者が誰であるのか、LINEヤフー株式会社や相手が接続に使ったプロバイダなどに対して投稿者の住所や氏名などの開示を求める手続きです。
LINEオープンチャットは匿名で投稿できるため、誹謗中傷の投稿をしたユーザーが誰であるのかわからないことも少なくありません。
しかし、投稿者の住所や氏名がわからなければ、投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴をすることは困難です。
そこで、他の法的措置をとる準備段階として、開示請求をする必要があります。
なお、LINE株式会社などに対して直接投稿者の情報開示を求めても、開示を受けられないことが一般的です。
そのため、開示請求は原則として、裁判上の手続きによって行います。
LINEオープンチャットへの投稿に対して開示請求をする流れは、後ほど改めて解説します。
損害賠償請求
2つ目は、損害賠償請求です。
損害賠償請求とは、相手の不法行為によって生じた損害を金銭で賠償するよう、相手に請求することです。
LINEオープンチャットでの誹謗中傷によって実害が生じた場合や心理的苦痛を被った場合は、損害賠償請求ができる可能性があります。
損害賠償請求ははじめから裁判上で行うのではなく、まずは開示請求によって判明した相手に対して弁護士が書面を送るなどして行うことが一般的です。
相手が反省してこの請求に応じた場合は示談の成立となり、この時点で事件は終結します。
この場合は、示談金を受け取ると同時に、示談書への押印を取り付けます。
示談書には示談金の額などのほか、「以後、誹謗中傷をしない」などの条項を記載します。
一方で、相手が請求を無視したり到底納得できないほどの減額を求めたりするなど不誠実な対応をとる場合は、裁判上での請求に移行します。
裁判へ移行すると、諸般の事情を考慮したうえで、裁判所が損害賠償請求の可否や賠償金の額などを決定します。
刑事告訴
3つ目は、刑事告訴です。
誹謗中傷は、その内容や態様によって「名誉毀損罪」や「侮辱罪」などの罪に該当する可能性があります。
名誉毀損罪とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」が、「その事実の有無にかかわらず」問われる罪です(刑法230条)。
名誉毀損罪に該当すると、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の対象となります。
一方、侮辱罪とは「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者」が該当する罪です(同231条)。
侮辱罪の刑罰は、1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。
これらはいずれも「親告罪」であり、被害者からの告訴がなければ投稿者を罪に問うことはできません。
そこで、投稿者の処罰を望む場合は、投稿者を特定したうえで刑事告訴(警察などの捜査機関に、犯罪事実を申告し犯人の処罰を求めること)を行うことになります。
告訴が受理されると必要に応じて犯人が逮捕され、警察や検察での捜査がなされます。
その後、刑事裁判で有罪判決が下ると、投稿者に前科がつくこととなります。
オープンチャットでの書き込みに開示請求をする流れ
オープンチャットでの書き込みに対して開示請求をしたい場合、どのような流れで進めるとよいのでしょうか?
ここでは、一般的な流れを解説します。
誹謗中傷投稿の証拠を残す
オープンチャットで自身や自社を誹謗中傷する書き込みを見つけたら、その場で投稿の証拠を保全します。
なぜなら、誹謗中傷の証拠がなければ、開示請求は認められないためです。
後から証拠を残そうとしても、法的措置を恐れた投稿者が問題の投稿を削除してしまうかもしれません。
誹謗中傷投稿の証拠は、スクリーンショットを撮影して残すことが一般的です。
スクリーンショットは投稿の内容のほか、投稿の日時やそのオープンチャットのURLなどが掲載されるように撮影してください。
弁護士へ相談する
オープンチャットでの誹謗中傷に対する開示請求を自分で行い、開示を勝ち取ることは容易ではありません。
そのため、証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。
相談の際には弁護士に証拠を確認してもらい、証拠に不足があった場合は追加のスクリーンショットを撮影しましょう。
LINE株式会社にIPアドレスなどの開示を請求する
弁護士へ対応を依頼したら、弁護士が開示請求を開始します。
開示段階は、二段階で行うことが一般的です。
第一段階として、オープンチャットの運営会社(LINEヤフー株式会社)に開示請求を行い、誹謗中傷投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報を入手します。
接続プロバイダに契約者住所や氏名などの開示を請求する
LINEヤフー株式会社から情報が開示されたら、開示を受けたIPアドレスやタイムスタンプなどの情報をもとに、次の段階の開示請求を行います。
この段階では、投稿者が接続に使ったプロバイダ(SoftbankやKDDIなど)に、契約者の住所や氏名などの情報の開示を請求します。
これで、プロバイダ契約者の住所や氏名などの情報が判明します。
投稿者は開示された契約者本人であることもありますが、父親がプロバイダの契約者であり子が投稿者であるなど、契約者以外の者が投稿者であることも少なくありません。
オープンチャットでの開示請求をするポイント
オープンチャットで誹謗中傷の被害に遭った場合、開示請求を成功させるにはどのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか?
ここでは、主なポイントを3つ紹介します。
できるだけ早期に対応する
1つ目は、できるだけ早期に対応に取り掛かることです。
なぜなら、投稿のログは永久に保存されるのではなく、一定期間が過ぎると削除されてしまうためです。
LINEヤフー株式会社やプロバイダでログが削除されてしまうと、開示を請求しても開示するための情報がないため、もはや開示を受けることはできません。
ログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、おおむね3か月から6か月程度です。
なお、この期間内に弁護士へ相談すれば間に合うということではなく、開示請求を申し立てる準備期間や、申立て後裁判所が開示命令を出すまでの期間を考えると、時間的な余裕がありません。
そのため、オープンチャットで誹謗中傷の投稿がなされたらすぐに投稿の証拠を残し、当日か翌日には弁護士への相談予約を入れるようにしてください。
開示請求に強い弁護士へ相談する
2つ目は、開示請求に強い弁護士へ相談することです。
開示請求は単に所定の様式を形式的に埋めて裁判所に提出すれば認められるようなものではなく、開示を受けるために相当であると考える法的根拠などを記さなければなりません。
また、開示請求をスムーズに行うには、法律に関する知識はもちろん、技術的な知識や経験も必要です。
そのため、無理に自分で行おうとして、ただでさえ期限の短い中貴重な時間を無駄にしてしまうのではなく、開示請求に詳しい弁護士へ早期に相談するようにしてください。
投稿の証拠を残す
3つ目は、投稿の証拠を残すことです。
先ほども解説したように、裁判所の開示請求が相当であると認めてもらうには、誹謗中傷などの証拠が必要です。
すぐにスクリーンショットを撮るなどして証拠を残しておかなければ、投稿が消えて開示請求が困難となるかもしれません。
そのため、誹謗中傷の投稿を見つけたら、その場ですぐに証拠を保全してください。
また、弁護士への相談時には撮影したスクリーンショットの確認を受け、不足があれば追加で撮影しましょう。
オープンチャットの開示請求を弁護士に依頼すべき理由
オープンチャットの投稿への開示請求は、弁護士へ依頼して行うことをおすすめします。
最後に、弁護士へ依頼すべき理由を3つ解説します。
開示請求を自分で行うことは容易ではないから
オープンチャットの誹謗中傷投稿への開示請求を自分で行うことは容易ではありません。
開示請求は裁判手続きの一つであり、関連する法律や手続きに関する理解や経験が不可欠です。
また、無理に自分で開示請求を行った結果として開示が認められなかった場合、そこから弁護士へ依頼してもそこから巻き返しをはかることは困難でしょう。
裁判所がいったん不開示を決めた以上、同じ内容について再度開示を求めることはできないほか、当初から時間が経ちすぎておりログの保存期間も過ぎている可能性が高いためです。
開示請求を成功させたい場合は、はじめから弁護士へ依頼するとよいでしょう。
開示請求は時間との勝負でもあるから
先ほど解説したように、開示請求にはログの保存期間というタイムリミットが存在します。
そのため、時間との勝負であるといっても過言ではありません。
無理に自分で行おうとして一つずつ手続きや法令を調べていると、その間にも時間が経過し、ログの保存期間を過ぎてしまうおそれがあります。
そのため、オープンチャットへの開示請求に詳しい弁護士に初めから相談し、対応を依頼するようにしてください。
投稿者が判明した後の損害賠償請求なども任せられるから
オープンチャットで誹謗中傷の被害に遭った場合、開示請求は最終的なゴールではなく、その後損賠賠償請求や刑事告訴をするための経過地点に過ぎません。
開示請求が認められても、その後の損害賠償請求や刑事告訴までを自分で成功させることは困難です。
無理に自分で損害賠償請求などをしようとすれば、さらなるトラブルの元となってしまいかねません。
また、自身を誹謗中傷した相手と直接連絡を取るには自身の連絡先を伝える必要があり、これも避けたいことでしょう。
弁護士へ依頼する場合は、開示請求が認められた後の損害賠償請求や刑事告訴などを任せることもできます。
まとめ
LINEオープンチャットで誹謗中傷の被害に遭った場合の、開示請求やその他の法的措置について解説しました。
オープンチャットで誹謗中傷をされたら、たとえ相手が匿名であっても、開示請求によって相手を特定する道があります。
相手が特定できたら、誹謗中傷の内容や態様に応じて、損害賠償請求や刑事告訴などさらなる法的措置をとることが可能です。
開示請求を成功させるには、オープンチャットで誹謗中傷の投稿を見つけた時点でスクリーンショットを撮るなどして証拠を残し、誹謗中傷問題に詳しい早期に弁護士へご相談ください。
一定の保存期間を過ぎるとログが消えてしまい、ログが消えると開示請求が困難となるためです。
開示請求をするには、法律や裁判手続きに関する専門的な知識や経験が必要であり、自分で行うことは容易ではありません。
Authense法律事務所では誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、オープンチャットになされた投稿に関する開示請求についても実績があります。
LINEオープンチャットでの誹謗中傷でお困りの際や投稿者の開示請求をしたい場合は、Authense法律事務所までできるだけお早めにご相談ください。
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