コラム
公開 2023.07.27

単体1902_新規_Twitterでの開示請求のやり方・流れは?かかる期間・費用を弁護士がわかりやすく解説

Twitterは気軽に情報発信ができるうえ、さまざまな人と交流ができる非常に便利なツールです。
一方で、その手軽さや匿名で利用できることなどから、誹謗中傷の舞台となってしまうことも少なくありません。

しかし、たとえ匿名であったとしても、発信者情報開示請求などの手続きを踏むことで、相手を特定することが可能です。
相手を特定したうえで、損害賠償請求や刑事告訴など厳しい法的措置をとることで、再発防止にもつながるでしょう。

では、Twitterでの誹謗中傷に対して開示請求をするには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか?
今回は、Twitterでの誹謗中傷に対する開示請求の流れや注意点、費用などについて弁護士がくわしく解説します。

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Twitterで発信者情報開示請求をするやり方・流れ

Twitterは気軽に自分の想いを投稿したり他者の投稿に対してコメント(リプライ)をしたりすることができる、非常に便利なSNSです。
また、他者の投稿を再投稿(リツイート)する機能もあり、うまく使用すれば一つの投稿を多くの人の目に触れさせることができます。

その一方で、Twitterが誹謗中傷の舞台となってしまうこともあります。
また、誹謗中傷をするユーザーの多くは匿名であり、一見しただけでは投稿者が誰であるのかわかりません。

しかし、発信者情報開示請求をして開示が認められれば、投稿者を特定することが可能です。
では、Twitterで誹謗中傷の被害に遭った場合、発信者情報開示請求はどのように進めればよいのでしょうか?

基本的な流れは次のとおりです。

誹謗中傷の投稿を保存する

Twitterで誹謗中傷の被害に遭ったら、すぐにその投稿の証拠を保存します。
発信者情報開示請求には証拠が必要となる一方で、相手が投稿を削除してしまう可能性があるためです。

投稿の証拠は、スクリーンショットで残すことが一般的です。
スクリーンショットは、次の事項が漏れなく掲載されるように撮影しましょう。

  • 誹謗中傷ツイートの内容
  • その誹謗中傷ツイートへのリプライなど一連のやり取り
  • 誹謗中傷ツイートの固有URL
  • 誹謗中傷ツイートがされた日時
  • 誹謗中傷投稿をしたユーザーのアカウントトップページとそのURL

なお、スマートフォンからのスクリーンショットでは、URLの表示が不完全となることが少なくありません。
そのため、スクリーンショットはパソコンから撮影するとよいでしょう。

弁護士へ相談する

スクリーンショットで証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。
誹謗中傷への開示請求は、時間との勝負であるといっても過言ではありません。
そのため、できれば誹謗中傷投稿を見つけたその日や翌日などに弁護士へコンタクトが取れるとベストです。

相談時には、スクリーンショットに不足がないか確認してもらうとよいでしょう。
自分で撮影したスクリーンショットには、抜けや漏れがあるケースが少なくないためです。

発信者情報開示請求をする

次に、発信者情報開示請求を行います。
Twitterでの誹謗中傷で投稿者を特定するまでの基本的な流れは次のとおりです。

Twitter社へ開示命令を申し立てる

初めに、Twitter社に対して情報の開示命令を申し立てます。
情報の開示は裁判外で(任意で)Twitterへ請求することもできますが、任意での開示に応じてもらえる可能性はほとんどありません。
そのため、一般的には裁判上で開示命令を申し立てることとなるでしょう。

投稿者のIPアドレスなどの情報が開示される

Twitterへの開示命令が認められると、Twitterから投稿者のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が開示されます。

なお、通常Twitterはユーザーの住所や氏名などの情報までは把握していません。
そのため、二段階での開示請求手続きが必要となります。

接続プロバイダへ開示命令とログ消去禁止命令を申し立てる

Twitterから得た情報をもとに、投稿者が接続に使用したプロバイダ(NTTやKDDIなど)を特定し、その接続プロバイダに対して開示命令を申し立てます。

併せて、接続プロバイダでのログが消えてしまわないよう、ログ消去禁止命令も申し立てます。
接続プロバイダが判明するまでには投稿からすでに数か月が経過していることが多く、手続き中に接続プロバイダでのログが消えてしまうおそれがあるためです。

投稿者へ意見聴取がなされる

接続プロバイダへ開示命令を申し立てると、裁判所から投稿者に対して意見聴取が行われます。
裁判所からこの連絡が入ることで、投稿者が開示請求をされていることに気付くこととなるでしょう。

投稿者は意見を述べることができ、回答期限は2週間程度に設定されることが一般的です。

投稿者の住所や氏名などの情報が開示される

投稿者からの意見聴取を踏まえ、開示が相当であると裁判所が判断すれば、接続プロバイダから投稿者の住所や氏名などの情報が開示されます。
これで投稿者の身元が判明します。

併せて、投稿者に対しても裁判所から開示の通知が送られます。

Twitterでの発信者情報開示請求をする主な目的

発信者情報開示請求をするには、相当な時間と手間がかかります。
では、発信者情報開示は何のために行うのでしょうか?

Twitterでの誹謗中傷投稿に対して発信者情報開示請求をする主な目的は次のとおりです。

誹謗中傷をした相手が誰であるのか特定するため

1つ目は、自分を誹謗中傷した相手が誰であるのかを知るためです。

Twitterでの誹謗中傷は匿名でなされることが少なくありません。
また、中にはその投稿内容などからリアルの知人であることが疑わしい場合もあるでしょう。

誹謗中傷の被害に遭っている人にとって、「誰が書いているかわからないけれど、身近な人かもしれない」という状況は、非常に気持ちの悪いものです。
日常で接している周囲の人に対して疑心暗鬼となってしまうかもしれません。
そこで、投稿者が誰であるのか知りたいと考え開示請求に踏み切る場合があります。

ただし、これはあくまでも第一ステップであり、相手の特定後には損害賠償請求や刑事告訴に踏み切るケースが大半です。
特定だけして終了というケースは実際にはほとんどありません。

相手に対して損害賠償請求をするため

2つ目でありもっとも一般的な目的は、相手に対する損害賠償(慰謝料)請求です。
損害賠償請求とは、誹謗中傷によってこうむった損害や精神的苦痛を金銭で賠償するよう、相手に対して請求をすることです。

通常はいきなり裁判を申し立てるのではなく、弁護士から書面を送るなどして裁判外で請求することが多いでしょう。
相手が請求に応じたり謝罪を受け入れて減額交渉が成立したりした場合には、裁判に至らず示談での解決となります。
示談が成立したら、今後誹謗中傷を行わない旨の誓約書などを取り交わすことが一般的です。

一方、相手が請求を無視するなど、不誠実な態度をとることもあるでしょう。
この場合には、裁判上での損害賠償請求へと移行します。

裁判へ移行すると裁判所が損害賠償請求の可否や金額を決め、双方は原則としてこれに従わなければなりません。
裁判所が決めた損害賠償請求額を相手が支払わない場合には、相手の財産を差し押さえるなど強制執行をすることも可能になります。

誹謗中傷で認められる慰謝料の額は、数十万円程度となることが多いでしょう。
ただし、ビジネスに支障が出たなど誹謗中傷による影響が大きい場合には、数百万円程度の慰謝料が認められるケースもあります。
また、弁護士費用の上乗せが認められる場合もあります。

相手を刑事告訴するため

3つ目は、相手を刑事告訴することです。
刑事告訴とは、犯罪事実を捜査機関に申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。

Twitterでの誹謗中傷は「名誉毀損罪」や「侮辱罪」などの対象となる可能性があるものの、これらはいずれも「親告罪」とされています。
親告罪とは、被害者側からの告訴がなければ、捜査機関が独自に公訴を提起できない罪のことです。
つまり、相手を名誉毀損罪や侮辱罪の罪に問いたいのであれば、被害者側が刑事告訴をしなければなりません。

刑事告訴にあたっては、本来相手の特定が要件とされているわけではありません。
しかし、警察は人命にかかわる重大事件を多数抱えていることも多く、相手が特定できていない誹謗中傷事件では告訴を受理してもらえない可能性が高いでしょう。
そのため、実務上は先に相手を特定したうえで刑事告訴をすることが一般的とされています。

刑事告訴が受理されると警察で事件の捜査が開始され、場合によっては投稿者が逮捕されます。
その後検察に身柄が送致され、検察でも捜査がなされます。

その結果を踏まえ起訴か不起訴かが決まり、起訴されると刑事裁判が開始されます。
この刑事裁判で投稿者の有罪・無罪や量刑などが決まるという流れです。

なお、告訴状が受理されるとその後は事件が捜査機関に委ねられることとなり、たとえ被害者であっても逐一報告を求めたり捜査に指示を出したりすることはできません。
また、告訴状が受理されたからといって必ずしも相手が逮捕されたり有罪になったりするとは限らないため、この点もよく理解しておいてください。

なお、損害賠償請求と刑事告訴とは二者択一ではなく、両方の措置を講じることも可能です。

Twitterでの発信者情報開示請求にかかる期間は?

Twitterでの誹謗中傷に対して発信者情報開示請求をした場合、相手の特定までにかかる期間はおおむね4か月か6か月程度です。
ただし、Twitterからの開示に非常に時間がかかるケースが増えており、Twitterからの返答速度によってはさらに時間を要する場合もあります。

いずれにしても、相手を特定するまでには相当の時間がかかることを覚悟しておく必要があるでしょう。

Twitter社への発信者情報開示請求にかかる費用

Twitterでの誹謗中傷に対して発信者情報開示請求をした場合にかかる費用は次のとおりです。

印紙代

発信者情報開示請求を自分で行う場合には、裁判所に支払う印紙代のみで手続きをすることが可能です※1

申立手数料として納めるべき収入印紙は1個の申立てごとに1,000円ですが、次の3つの手続き必要となるため、最低でも3,000円がかかることとなります。

  1. Twitter社への開示命令
  2. 接続プロバイダに対する開示命令
  3. 接続プロバイダに対する消去禁止命令

弁護士報酬(着手・報酬・事務手数料)

Authense法律事務所へ発信者情報開示請求をご依頼頂いた場合には、次の費用が掛かります。
なお、申し立てに必要な印紙代は報酬額に含まれています。

  • コンテンツプロバイダ(Twitter社など)に対する開示請求プラン
    1. 着手金:1投稿あたり165,000円(税込)〜
    2. 成功報酬:1投稿あたり110,000円(税込)
    3. 事務手数料:33,000円(税込)
  • 経由プロバイダに対する発信者情報開示プラン
    1. 着手金:1プロバイダあたり165,000円(税込)〜
    2. 成功報酬:1プロバイダあたり110,000円(税込)
    3. 事務手数料:33,000円(税込)(Twitter社への開示請求から移行の場合には不要)

ただし、報酬額は事案の難易度や投稿の数などによって変動するため、詳細な費用については無料相談時に弁護士より説明します。

Twitter社への発信者情報開示請求をする際の注意点

Twitterでの誹謗中傷に対して発信者情報開示請求をする際には、次の点に注意しましょう。

無理に自分で対応しない

Twitterで誹謗中傷をされた場合において、無理に自分で対応することはおすすめできません。

特に、相手に対して直接反論をしたり投稿を消すよう直接申し入れたりすることは避けるべきでしょう。
なぜなら、このようなことをすれば誹謗中傷がエスカレートする可能性があるほか、周囲を巻き込んで炎上状態となるリスクがあるためです。

また、言い返した内容によっては法的措置をとるにあたって不利となるおそれがあるほか、相手から誹謗中傷であるなどとして訴えられるかもしれません。
他にも、しっかりと証拠を残す前に相手が投稿やアカウントを消して逃げてしまえば、法的措置が困難となる可能性があります。

さらに、自分で開示請求などをしようと裁判手続きや法令を調べるのに時間を要した結果、ログの保存期間が過ぎ法的措置が困難となっては本末転倒です。

開示請求をするには専門知識や経験が必要であり、少し調べて簡単にできるようなものではありません。
Twitterで誹謗中傷の被害に遭ったら無理に自分で対応することは避け、できるだけ早く誹謗中傷トラブルにくわしい弁護士へご相談ください。

焦って削除請求をしない

Twitterに書き込まれた内容によっては、できるだけ早く投稿を消してほしいと願うことでしょう。
たとえば、個人情報が書き込まれた場合や、信頼を低下させるような虚偽の内容がもっともらしく書き込まれた場合などが挙げられます。
このような場合には、そのツイートの右に表示される三点リーダー(…)からツイートを報告したり、Twitterの公式サポートから削除を請求したりすることができます※2

しかし、開示請求を検討しているのであれば、焦って削除請求をすることはおすすめできません。
なぜなら、削除請求が認められて投稿が削除されれば誹謗中傷の証拠が消えることとなり、開示請求が困難になってしますためです。

そのため、削除請求はあらかじめ弁護士へタイミングなどを十分相談したうえで行う必要があるでしょう。

できるだけ早期に対応する

Twitterへの開示請求は、できるだけ早期に対応することがカギとなります。
なぜなら、投稿のログは永久に保存されるわけではなく、一定期間が過ぎると削除されてしまうためです。

Twitterでのログ保存期間は90日間です。
また、接続プロバイダでのログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、おおむね3か月から6か月程度とされています。
実質的にはこれが開示請求のタイムリミットであり、これに間に合わせるには非常にスピーディーに対応しなければなりません。

そのため、Twitterで誹謗中傷の被害に遭ったらできるだけ早く弁護士へコンタクトをとることをおすすめします。
可能であれば、誹謗中傷の投稿を見つけたその日や翌日には弁護士事務所へコンタクトがとれるとベストです。

まとめ

Twitterでの誹謗中傷は、匿名でなされることが少なくありません。
法的措置をとろうにも、相手が匿名であることで諦めてしまうこともあるでしょう。

しかし、開示請求を行えば相手の身元が特定できる可能性があります。
そのうえで損害賠償請求など厳しい対応をすることで、再発を防止したり安易に他者を誹謗中傷する人を減らしたりする効果も期待できます。

しかし、対応が遅れてしまうとログが消えてしまい、情報の開示が受けられなくなるかもしれません。
そのため、Twitterで誹謗中傷の被害に遭ったら、できるだけ早く弁護士へご相談ください。

Authense法律事務所では誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、Twitterへの開示請求にも数多くの経験と実績があります。
Twitterでの誹謗中傷でお困りの際には、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。
誹謗中傷に関する初回のご相談は無料です。

記事を監修した弁護士
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Authense法律事務所記事監修チーム
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