暴力事件 加害者からの謝罪と被害弁償金を受け、和解へ
ご相談までの経緯・背景
Aさんは、友人と食事をするため、飲食店を訪れました。店には、友人の知人Bがおり、すでに酷く酔っている状態でした。
Aさんは、酩酊状態のBによって、床に倒され、足蹴りされるなどの暴行を受け、全治3週間の怪我を負いました。
この怪我によって、仕事を休まざるを得なくなったAさんは、警察に被害届を提出することにしました。
加えて、Bに対して責任をとってもらいたいと考えたAさんは、今後について当事務所に相談にいらっしゃいました。
解決までの流れ
Aさんは、Bから暴行を受けたほかにも、キスの強要や、洋服を捲り上げられるなどのわいせつ行為を受けたと主張していました。
Bは、Aさんに対して、わいせつ行為をした覚えはなく、むしろAさんが投げつけ割れた食器の破片で、足に怪我を負ったと主張してきました。
このように、双方の言い分に食い違いがあり、当事者だけの話し合いでは解決することが困難な状況となっていました。
弁護士は、休業損害と治療費及び慰謝料として、約155万円をBに請求することにしました。
結果・解決ポイント
この事件で負った怪我のため、多くの仕事をキャンセルせざるを得なくなってしまったAさんは、
- ① Bから、謝罪の言葉を受けたい
- ② Bには、休業損害を含めてきちんとお金を支払ってもらいたい
という希望を持っていました。
弁護士は、Bの弁護士と和解へ向けて交渉を行うことにしました。
交渉で、弁護士は、Aさんが受診した診断書の写しを提出すると共に、Aさんが、この怪我によってキャンセルせざるを得なくなった仕事から、どれだけの休業損害が発生したのか、証明することにしました。
これに対して、相手方弁護士は、双方が相当の酩酊状態で発生した事件であり、水に流すことが最も望ましい解決であると主張したうえで、BはAさんを負傷させてしまったことに対して謝罪の意思があることを伝えてきました。
交渉の結果、Aさんが警察に提出した被害届を取り下げること、BからAさんへの謝罪と、本件傷害行為を原因とする治療費、休業損害及び慰謝料として被害弁償金を支払うこととなりました。
また、今後この事件に関する一切の事項について、関係者を含む全ての第三者に口外しないこと、誹謗中傷等の迷惑行為をしないこと、SNS等手段を問わず公表しないこと、今後は直接間接を問わず、互いに連絡をしないことを誓約することで和解が成立しました。
このように、双方の言い分に食い違いがあり、当事者だけの話し合いでは解決することが困難な状況の場合でも、弁護士が代理人として交渉を進めることで、紛争が泥沼化することなく、迅速に解決へ導くことができるのです。