Authense社労士法人コラム
公開 2025.07.13

単体2677_新規_【2025】人事評価制度の種類は?自社に合った選定ポイントを社労士がわかりやすく解説

「人事評価制度」は1つの固定化された制度ではなく、企業の目指すべき方向性や組織の規模などに応じて設計すべきものです。
テンプレート化された規程をそのまま採用するだけで、制度が導入できるものではありません。
とはいえ、ゼロから設計するのではなく、まずは基本となる制度の枠組みを選定したうえで、自社に合わせて設計していくことが一般的です。

では、人事評価制度の種類には、どのようなものがあるのでしょうか?
また、人事評価制度の種類の選定は、どのようなポイントを踏まえて行えばよいのでしょうか?
今回は、人事評価制度の構成要素や人事評価制度の種類を紹介するとともに、人事評価制度の種類を選定するポイントについて解説します。

なお、当事務所(Authense社会保険労務士法人)は人事評価制度の導入支援を行っており、さまざまな規模・業種で導入を支援した実績があります。
人事評価制度の導入をご検討の際や、導入する人事評価制度の種類の選定でお困りの際は、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、個々の従業員の仕事の成果や業務への姿勢などを適切に評価する制度です。
人事評価制度は単独で機能するものではなく、これを報酬や昇進などへと反映させる設計をすることが一般的です。

適切な人事評価制度を導入することで、待遇の不公平感が解消され、従業員のモチベーション向上につながる効果が期待できます。
また、従業員の適材適所が実現でき、企業全体の効率性を高めることにもつながるでしょう。

人事評価制度の導入をご検討の際は、Authense社会保険労務士法人へご相談ください。
当事務所は、人事評価制度の導入支援について豊富な実績を有しています。

人事評価制度の3つの構成要素

人事評価制度は、主に3つの要素から構成されます。
ここでは、人事評価制度の3つの構成要素である「等級制度」「評価制度」「報酬制度」について、それぞれの概要を解説します。

なお、これらの制度は一体として機能するものであり、たとえば等級制度があっても評価制度がなければ、絵に描いた餅となりかねません。
同様に、評価制度が報酬制度と連動していなければ、評価制度を導入する意味は半減してしまうでしょう。

これらの制度を整え、的確な運用を実施するため、人事評価制度の導入にあたっては社労士のサポートを受けるのがおすすめです。
お困りの際は、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

等級制度

等級制度とは、従業員の職務内容や能力によるランク化制度です。
求められる技術・知識・資格などの内容から分類される「職能資格制度」のほか、企業内の役割に応じて分類される「役割等級制度」、業務内容を階層化する「職務等級制度」などがあります。

等級制度を整備することで、従業員が「何をすれば等級が上がるのか」を把握でき、努力の方向性が明確となります。

評価制度

評価制度とは、従業員の業績や行動、能力などを評価する仕組みです。
評価の結果は等級アップの参考とされるほか、報酬などの待遇を決める際の基準ともなります。

主な評価制度の種類は、後ほどくわしく解説します。

報酬制度

報酬制度とは、従業員の報酬や福利厚生、教育支援などの待遇を定める制度です。
等級や評価と報酬制度とを連動させることで、従業員の納得感が得やすくなります。

人事評価制度の主な種類

人事評価制度には、さまざまな種類があります。
ここでは、主な人事評価制度の概要について解説します。

  • 能力評価
  • 成果評価
  • コンピテンシー評価
  • 行動評価
  • 360度評価
  • 情意評価

なお、ここで紹介する人事評価制度は、「どの種類が優れており、どの種類は優れていない」などと一概にいえるものではありません。
それぞれの一長一短があり、最適な人事評価制度の種類は企業によって異なります。

とはいえ、これらの中から実際に自社で導入する制度を適切に選択することは容易ではないでしょう。

導入する人事評価制度の種類でお悩みの際は、Authense社会保険労務士法人へご相談ください。
当事務所はさまざまな規模、さまざまな業種の企業への人事評価制度導入支援実績があり、状況やご希望に合った制度の選定段階からのサポートが可能です。

能力評価

1つ目は、能力評価です。
これは、従業員が有する業務上のスキルや資質を評価するものです。
たとえば、提案力や問題解決力、企画力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどが評価基準とされます。

能力評価では、自身にどのようなスキルが不足しているかを個々の従業員が把握しやすく、弱点を克服したり強みを伸ばしたりするモチベーションとなるでしょう。

一方で、能力主義による的確な制度設計は容易ではないことに注意が必要です。
各スキルは必ずしも同列ではなく、業績向上に寄与する能力を高く評価する設計としないと不公平感が生じるおそれが生じるためです。

また、評価対象となる能力が曖昧なものとなりやすく、安易な設計にしてしまうと評価者の主観に左右される事態となりかねません。
たとえば、「コミュニケーション能力」の評価にあたって、明確な定義されていなければ、何となく社交的な人物や評価者にとって話しやすい人物などが高評価とされる一方で、顧客への「報連相」などが的確であり信頼性が厚いものの、物静かな人物などが低評価にされてしまうおそれもあります。

能力評価を適切に運用するには、具体的な行動指標や明確な評価基準を導入するなどして、客観性を高める工夫が必要です。
また、評価者の育成やフィードバックの仕組みも不可欠でしょう。

成果評価

2つ目は、成果評価です。
これは、従業員の業務上の成果を評価するものです。
たとえば、製造業であれば歩留まり率や生産量、営業職であれば売上高や新規顧客獲得数などが評価基準となります。

成果評価の主な手法としては、次の2種類が挙げられます。
これらはいずれも成果評価であるものの、基準となる目標の設定者が異なります。

  • OKR(Objectives and Key Results):企業が大枠の達成目標を定め、そこから各部署・部門の目標を定め、これを従業員個人の目標値として割り振り、達成度で評価する評価手法
  • MBO(Management by Objectives):従業員個人や部署・部門などの単位で目標値を設定し、その達成度で評価する評価手法

成果評価は評価基準がわかりやすいうえ明確であり、不公平感が生じづらいといえます。
また、「何を達成すれば評価が上がるのか」が明確であるため、従業員のモチベーション向上にもつながります。
さらに、成果が会社の業績にも直結しやすく、企業全体の業績向上にも寄与するでしょう。

一方で、評価外の業務への関心が薄くなりやすく、これが行き過ぎるとギスギスとした職場となるおそれがあります。
また、MBOを採用し目標値の設定を完全に個々の従業員に任せた場合、目標値の設定方法(はじめから達成できそうな目標とするか、達成困難な高い目標とするか)によって評価に差が生じることから、上司などによる目標値の管理や助言なども必要となるでしょう。

加えて、経理や総務など目標値の設定が難しい部署においては運用が困難です。

コンピテンシー評価

3つ目は、コンピテンシー評価です。
これは、企業内で高い成果を上げている従業員に共通する行動特性を分析し、これを評価基準として採用する手法です。

企業にとっての理想の従業員像を明示することで、個々の従業員が目指すべき方向性が明確となります。
また、成果評価とは異なり、数値では測りづらい業務に従事する従業員の評価も可能です。

一方で、「理想の従業員像」を定めたり、共通する行動特性を分析し明確化したりすることは容易ではありません。
また、企業は異なる強みや特性を有する従業員がいてこそ活性化するのであり、1つの理想像を示すことが自社にとって望ましいか否かは、慎重に検討する必要があるでしょう。

行動評価

4つ目は、行動評価です。
これは、従業員が会社の経営理念や目標実現に向けて望ましい行動をとっているか否かを評価するものです。
売上などの成果に加え、目標を達成するためにした行動やチームとのコミュニケーション、提案力、協力体制などが評価基準とされます。

会社の理念や目標に沿った行動が評価基準となることから、理念や目標が社内に浸透しやすくなります。
また、成果評価とは異なり、売上などの成果には直結しない行動も評価対象となることから、独善的な行動を避けやすくなるでしょう。

その一方で、能力評価と同様に評価対象とする行動基準を定めることが難しく、基準に問題があれば不公平感が生じるおそれがあります。
また、公平な評価を実現するには、評価者の教育なども必要です。

360度評価

5つ目は、360度評価です。
これは、評価対象者の上司のみならず、対象者の部下や同僚など複数の関係者が評価をする手法です。

360度評価では多方面に評価者が存在するため、「評価者である上司の前でだけよい顔をして、同僚や部下を蔑ろにする」などの事態を避ける効果が期待できます。
また、評価が1人の上司の主観に左右される事態を避けられ、公平感や納得感が生じやすくなるでしょう。

その一方で、評価者となるすべての従業員に対し、公正な評価を実現するための研修が必要となります。
評価者の教育を怠ると、「親しい相手を高評価とする」ような短絡的な評価が横行するおそれがあるためです。

情意評価

6つ目は、情意評価です。
これは、個々の従業員の内面を評価する手法です。
たとえば、仕事への意欲や姿勢、協調性、行動力、責任感、課題解決力などが評価基準とされます。

情意評価では数値には現れづらい内面を評価することから、従業員の多様な能力や多様な努力が評価できます。
その一方で、評価者の主観によって評価が左右されやすいことがデメリットです。

導入する人事評価制度の種類を選定するポイント

先ほど解説したように、人事評価制度には多くの種類が存在します。
では、自社が導入する人事評価制度の種類は、どのように選定すればよいのでしょうか?
最後に、導入する人事評価制度を選定するポイントを3つ解説します。

人事評価制度を導入する目的を明確にする

導入する人事評価制度を的確に選定するには、自社が人事評価制度を導入する目的が明確になっていなければなりません。
「流行りだから」「〇〇社でも導入したと聞いたから」などの理由だけで人事評価制度を導入するのではなく、まずは自社の課題を明確にすることから始めましょう。
課題が明確になることで、その課題解決に資する人事評価制度の絞り込みが可能となります。

自社に合った制度を導入する

導入する人事評価制度は、自社の目指すべき方向性や規模、業種などに合ったものを選定しましょう。
「多くの企業に選ばれているから」などの理由で自社に合わない制度を導入してしまうと、運用に無理が生じて評価者の業務を圧迫したり、従業員のモチベーションが低下したりするかもしれません。

社労士に相談する

導入する人事評価制度を的確に選定するためには、社労士のサポートを受けるのがおすすめです。
人事評価制度の導入支援実績が豊富な社労士へ相談することで、課題の洗い出しや人事評価制度の導入によって解決すべき課題の選定段階からサポートを受けることが可能となります。
これにより、自社に合った人事評価制度の導入が実現しやすくなるでしょう。

人事評価制度の導入にあたってサポートが受けられる専門家をお探しの際は、Authense社会保険労務士法人までお問い合わせください。

まとめ

人事評価制度の主な種類を紹介するとともに、導入する人事評価制度を適切に選択するポイントなどについて解説しました。

人事評価制度には、能力評価や成果評価、コンピテンシー評価、360度評価などさまざまな種類があります。
それぞれの種類に異なる特徴や一長一短があるため、これらを理解したうえで自社に合った制度を選択しましょう。

社労士のサポートを受けて人事評価制度を導入する目的を明確にすることで、自社に合った人事評価制度を選定しやすくなります。

Authense社会保険労務士法人は人事評価制度の導入支援を行っており、さまざまな業種・規模の企業へのサポート実績を有しています。
自社が導入する人事評価制度の種類でお困りの際や、人事評価制度の導入にあたってサポートを受ける専門家をお探しの際は、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

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