Authense社労士法人コラム
公開 2025.06.08

単体2708_新規_【2025/令和7年】くるみんの認定基準は?社労士がわかりやすく解説

くるみんマークの認定基準が、2025年4月から改訂されました。

くるみん認定とはどのような制度なのでしょうか?
また、改訂後のくるみん認定の基準は、どのように設定されているのでしょうか?

今回は、くるみん制度の概要やくるみんの認定基準、くるみん認定を成功させるポイントなどについて社会保険労務士(社労士)がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense社会保険労務士法人)はくるみん認定の申請サポートについて豊富な実績を有しています。
自社がくるみんの認定基準を満たしているか確認したい際や、くるみんの認定申請をご希望の際は、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

くるみん認定とは?

くるみん認定とは、一定の認定基準を満たした企業が申請をすることで、厚生労働大臣から「子育てサポート企業」として認定が受けられる制度です。
次世代育成支援対策推進法に基づく制度であり、認定を受けることで「くるみんマーク」の使用が可能となります。

くるみんマークを表示することで、取引先や求職者などにアピールできるほか、くるみん助成金の対象となったり公共調達において加点対象となったりするなど、メリットは少なくありません。

なお、通常のくるみん認定よりも認定基準が緩やかである「トライくるみん認定」のほか、通常のくるみん認定よりも厳しい基準をクリアした企業を対象とした「プラチナくるみん認定」制度も存在します。
初めてくるみん認定を目指す企業は、まず通常のくるみん認定を目指し、これが難しい場合にはトライくるみん認定への申請からはじめるとよいでしょう。

【2025年最新】くるみんの認定基準

冒頭で解説したように、くるみんの認定基準は2025年4月1日から改訂されました。
ここでは、改訂後におけるくるみんの認定基準を解説します。

  • 認定基準1:適切な行動計画を策定したこと
  • 認定基準2:計画期間が2年以上5年以下であること
  • 認定基準3:計画に定めた目標を達成したこと
  • 認定基準4:行動計画について公表と労働者への周知を適切に行っていること
  • 認定基準5:男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと
  • 認定基準6:女性労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと
  • 認定基準7:法定時間外・法定休日労働時間について一定の要件を満たすこと
  • 認定基準8:一定の措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること
  • 認定基準9:重大な法令違反などがないこと

くるみん認定申請を検討しており、自社が認定基準を満たせそうか否かお悩みの際は、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

認定基準1:適切な行動計画を策定したこと

くるみん認定基準の1つ目は、次世代育成支援対策推進法の規定に基づき、雇用環境の整備に関する適切な行動計画を策定したことです。

次世代育成支援対策推進法により、常時雇用する労働者が101人以上の企業はこの行動計画を策定したうえで、策定した旨を都道府県労働局に届け出ることが義務付けられています(次世代育成支援対策推進法12条1項)。
従業員数が100人の企業では義務ではなく努力義務であるものの、くるみん認定を申請する場合には行動計画を策定しなければなりません(同5項)。

この行動計画の作成にあたっては、労働者の「育児休業等の取得状況」と「労働時間の状況」を把握する必要があります。

認定基準2:計画期間が2年以上5年以下であること

くるみん認定基準の2つ目は、計画期間が2年以上5年以下であることです。
行動計画の策定にあたっては、この期間を意識しなければなりません。

認定基準3:計画に定めた目標を達成したこと

くるみん認定基準の3つ目は、計画に定めた目標を達成したことです。

くるみん認定を受けるには、単に行動計画を定めるだけでは足りず、策定した行動計画を実施し目標を達成しなければなりません。
そのため、机上の空論ではなく、自社での実現可能性を踏まえて行動計画を策定する必要があります。

認定基準4:行動計画について公表と労働者への周知を適切に行っていること

くるみん認定基準の4つ目は、行動計画の公表と労働者への周知を適切に行うことです。

行動計画の公表は、インターネットの利用その他の適切な方法によって行うこととされています(次世代育成支援対策推進法施行規則1条の4)。
また、周知は次の方法など適切な方法にて行うことが求められます(同2条の3)。

  • 事業所の見やすい場所への掲示
  • 事業所への備え付け
  • 労働者への書面の交付
  • 労働者への電子メールの送信

認定基準5:男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと

くるみん認定基準の5つ目は、次の「1」または「2」のいずれかを満たすことです。

  1. 次の2つの要件をいずれも満たすこと
    • 計画期間における男性労働者の育児休業等取得率が30%以上である
    • その割合を「両立支援のひろば(一般事業主行動計画公表サイト)」で公表している
  2. 次の3つの要件をすべて満たすこと
    • 計画期間における男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合計50%以上である
    • その割合を「両立支援のひろば」で公表している
    • 育児休業等を取得した者が1人以上いる

ただし、労働者数300人以下の場合には要件の緩和が受けられます。
具体的には、「計画期間内に、子の看護休等休暇を取得した男性労働者がおり、その数を「両立支援のひろば」で公表したこと」など所定の基準を満たすことで、この要件をクリアできます。

認定基準6:女性労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと

くるみん認定基準の6つ目は、女性有期雇用労働者の育児休業等取得率について次の2つの要件をいずれも満たすことです。

  1. 計画期間における「女性労働者」と「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者」の育児休業等取得率がそれぞれ75%以上である
  2. その割合を「両立支援のひろば」で公表している

ただし、労働者数300人以下の場合には要件の緩和が受けられます。
具体的には、次の要件をいずれも満たすことでこの基準をクリアすることとなります。

  1. 計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、「女性労働者」または「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者」の育児休業等取得率が75%以上である
  2. その割合を「両立支援のひろば」で公表している

認定基準7:法定時間外・法定休日労働時間について一定の要件を満たすこと

くるみんの認定要件の7つ目は、計画期間の終了日の属する事業年度において、次の「1」と「2」の要件をいずれも満たすことです。

  1. 次のいずれかの要件を満たすこと
    • フルタイムの労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満であること
    • フルタイムの労働者のうち、25歳から39歳の労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること
  2. 月平均の法定時間外労働が60時間以上となる労働者がいないこと

認定基準8:一定の措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること

くるみん認定要件の8つ目は、次の3つのうちいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していることです。

  • 男性労働者の育児休業等の取得時間の延伸のための措置
  • 年次有給休暇の取得促進のための措置
  • 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

認定基準9:重大な法令違反などがないこと

くるみんの認定要件の9つ目は、法や法に基づく命令、その他関連法令に違反する重大な事実がないことです。
法令などに違反している企業は、他の要件を満たしていても、くるみん認定を受けることはできません。

トライくるみん認定の認定基準

先ほど解説したように、トライくるみん認定は、通常のくるみん認定よりも要件が緩和された認定制度です。
くるみん認定の要件を満たすのが難しい場合には、まずはトライくるみん認定を目指すとよいでしょう。

ここでは、トライくるみんの認定基準について解説します。

  • 認定基準1から4と、8から9:くるみん認定と同じ
  • 認定基準5:男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと
  • 認定基準6:女性労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと
  • 認定基準7:法定時間外・法定休日労働時間について一定の要件を満たすこと

認定基準1から4と、8から9:くるみん認定と同じ

先ほど紹介したくるみん認定基準のうち、1から4と8から9は、そのままトライくるみん認定の認定基準として適用されます。

認定基準5:男性労働者の育児休業等取得率などについて一定の要件を満たすこと

トライくるみん認定の場合、男性労働者の育児休業等取得率についての基準は、次のいずれかを満たせばよいこととなります。

  1. 計画期間における男性労働者の育児休業等取得率が10%以上であること
  2. 次の2つの要件をいずれも満たすこと
    • 計画期間における男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合計20%以上である
    • 育児休業等を取得した者が1人以上いる

ただし、労働者数300人以下の場合には要件の緩和が受けられます。
具体的には、「計画期間内に、子の看護休等休暇を取得した男性労働者がいること」など所定の基準を満たすことで、この要件をクリアできます。

認定基準6:女性労働者の育児休業等取得率について一定の要件を満たすこと

トライくるみん認定の場合、女性労働者の育児休業等取得率に関する要件の要件は、計画期間における「女性労働者」と「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者」の育児休業等取得率がそれぞれ75%以上であることのみとなります。
「両立支援のひろば」で公表していることまでは求められません。

また、労働者数300人以下の場合には要件の緩和が受けられます。
具体的には、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、「女性労働者」または「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者」の育児休業等取得率が75%以上であれば、この基準をクリアできます。

認定基準7:法定時間外・法定休日労働時間について一定の要件を満たすこと

トライくるみんの場合、認定基準の7つ目は、次の2つの要件を満たせばよいこととされます。

  1. フルタイムの労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること
  2. 月平均の法定時間外労働が60時間以上となる労働者がいないこと

くるみん認定を成功させるポイント

くるみん認定を成功させるには、どのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか?
最後に、くるみん認定を受けるポイントを2つ解説します。

くるみん認定にくわしい社労士のサポートを受ける

くるみん認定を自社だけで行うことは、容易ではありません。
くるみん認定は単に計画を策定しただけで受けられるものではなく、実際に計画を実施してようやく受けられるものであるためです。

計画の実現にあたっては、従業員の意識改革が必要となる場合も少なくないでしょう。

実績豊富な社労士のサポートを受けることで、くるみん認定を受けるために自社が行うべきことが明確となるほか、計画実行にあたって障害となり得る事項についても適宜サポートを受けることが可能となります。

認定基準を理解したうえで、基準を満たすよう定期的に成果を確認する

先ほど解説したように、くるみん認定を受けるには計画を策定するのみならず、成果が伴わなければなりません。
そのため、行動計画の策定後も定期的に認定基準を満たせそうか否かとの視点から成果を確認したうえで、継続的にフォローをする必要があります。

まとめ

くるみん認定の概要やくるみんの認定基準などを解説しました。

くるみん認定を受けるには行動計画を策定・公表したうえで、育児休業等取得率や法定時間外・法定休日労働時間などさまざまな基準を満たさなければなりません。
くるみん認定はゴールではなく、自社が「子育てサポート企業」となり顧客や求職者などから選ばれるための1つの基準であると考え、認定を目指すとよいでしょう。

Authense社会保険労務士法人はくるみん認定について豊富な実績を有しており、認定へ向けてのサポートをお受けしています。
くるみん認定申請をご希望の際や、自社がくるみんの認定基準を満たせるか否か知りたい際などには、Authense社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。

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