公開 2024.10.01 更新 2024.10.18Legal Trend

環境変化に負けない、バックオフィスの組織づくり アウトソーシングの戦略的活用について

セミナーレポート

座談会メンバー

西尾 公伸

中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修…

この記事のまとめ

こちらの記事は、2024年月5日29日に開催したセミナー「環境変化に負けない、バックオフィスの組織づくり アウトソーシングの戦略的活用について」の内容を書き起こしたものです。全文を読みたい方は、「資料ダウンロードはこちら」よりフォームをご記入いただくと続きをお読みいただけます。

今回は、社内リソースだけでは解決が難しい状況の中で、戦略的なアウトソーシング・BPOの活用方法について、総務BPOの株式会社ゼロインと法務BPOのAuthense法律事務所の二社にて、事例と共に解説します。

目次
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登壇者紹介

株式会社ゼロイン バックオフィスデザイン部 シニアコンサルタント 立花 静華氏

2006年 ゼロイン入社。
バックオフィスのBPO領域を中心に複数社にてSV・マネジャーを経験。また自社でも事業企画として管理部門の課題に取り組んできた。
現在はBPOのサービス提供だけではなく、組織のありたい姿と業務の可視化を通じた、組織作りのサポートを行っている。

Authense法律事務所 弁護士統括 弁護士 西尾 公伸(第二東京弁護士会所属)

中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。
弁護士登録後よりベンチャーファイナンスを中心とした企業法務に注力し、当時まだ一般的な手法ではなかった種類株式による大型資金調達に関与。現在まで様々な企業の投資契約、労務問題、企業危機管理、会社法務、M&Aなどを担当している。
企業法務分野のマネージャーを務め、法務機能アウトソーシングサービスの責任者として、数多くの企業の法務部門へのソリューション提供の実績を持つ。

このセミナーでお伝えすること

  1. 登壇者紹介
  2. 第1部 管理部の生産性を高める組織づくり〜効果的なBPO活用で、組織力を最大限に引き出す〜(株式会社ゼロイン 立花 静華氏)
  3. 第2部 持続可能な法務体制構築 ~AIとBPOの戦略的活用術~(弁護士 西尾 公伸)

第1部 管理部の生産性を高める組織づくり〜効果的なBPO活用で、組織力を最大限に引き出す〜

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まず「バックオフィスと社会の現状」についてです。こちらも、今さら皆様に敢えてお伝えする内容ではないのかなと思いますが。本当に今の社会はいろいろと変わっていくことが多いなと、個人的にも一日本の住人として感じることがすごく増えてきているなと思います。
働き方やZ世代のギャップ。今、退職代行などもニュースに上がっていますね。あとはコンビニに行っても実感しておりますが、去年の10月には32年ぶりに円相場が150円になったと大きくニュースになっていました。きょうの朝、ニュースを確認したら157円台でした。相場が大きく変わっているんだけども、今さらびっくりはしないなと。去年までは「非常識だ」「そうそうはない」というふうに考えていたことが、今年すでに当たり前になってしまっているというぐらい変わってきているなというのを実感するのが昨今かなと感じています。

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変わってきた、本当に速くなっているというところの一つ分かりやすい事例で言うと、chat GPTですね。一昨年、2022年の11月にチャット形式のAIと対話ができて、問題解決だったり文章を作ってもらえるというところでニュースになっていたかと思います。

そこから、たった5日間でユーザー数が100万人突破。

100万人というと、iPhoneで74日。YouTubeで260日。それでも速かったと当時言っていたのに、5日間で100万人突破です。
さらに、リリース後2カ月で1億人のユーザーを突破というところで、新しいサービスがあっという間に広がっていくというのを体感したのが去年だったかなと感じています。

そんな中でも、つい先週chat GPT4oが登場しました。テキストではなくて、音声や画像認識もできるようなchat GPTが出てきたというところがニュースになっていました。本当に、あっという間に変わっていくなという印象です。
実は今回セミナーのリード文は、もともとの文章はもちろん私が考えてはいるのですが、いい感じの日本語にしてくださいというところで、chat GPTにオーダーを出して作ってもらっています。こういう表現いいな、みたいなのがあっという間に出てくる、すごく優秀なツールだなと感じました。でもまさか去年の今頃はそんなことをやっていると思ってもいなかったので、本当に変わってきたということを体感しています。

第2部 持続可能な法務体制構築 ~AIとBPOの戦略的活用術~

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法務部門を取り巻く環境ということで、別に何の問題もなければ何も考えずにそのままやればいいという話なのであって、やはり何か課題があるということで、それがスタート地点になります。
大前提として法務に求められる役割というところで、言い古された切り口ではありますけれども、いくつか指摘をしておきたいと思います。必ずしも法務のみに特化した部門の方ばかりではなく、もう少し幅広く、通常グロースぐらいのレベルの会社様であれば総務などの幅広いカテゴリーを管掌する中で法務も含まれていたりするかと思います。必ずしも法務の専門家だったり、実務経験があるわけではないという方が含まれているということも想定しております。
法務機能に対して期待されることは、平たく言えば「企業活動が法令や契約と整合性を持って適正に行われ、健全な発展を遂げることができるように企業全体をサポートする部門、部署、機能」ということです。大きく分けると、先回りして紛争を未然に防ぐ予防法務。M&Aなどのコーポレートアクションが戦略法務。トラブル対応がが臨床法務。いずれにしても法務というのは、健全な企業運営と成長に欠かせない存在です。

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直近ここ数年くらい、法務の機能を再整理する動きがございます。確かに、私も初見のときはなるほどなと思ったりもしたわけですけれども、この3つの機能というところに分類をされています。今回、実は生成AIとの関係では、この分類が一つ重要な切り口になっているので触れておきたいと思います。
まずはクリエーション機能について。どこかで聞き及んだことがあるかもしれませんが、法律には立法事実というものがあります。議員立法というのもありますけれども、多くの場合は行政機関から立案されて国会で承認されて立法されるというプロセスがあるわけですね。つまりスタート地点に「こういうルールを作ったほうがいい」という根拠となる事実が先行します。それに対して、ルールが抽象化されて出てくるという関係になります。要するに、今ないものに対してのルールメイクというのが非常に難しいわけです。新規性のある領域だったり、スタートアップと言われるところがチャレンジしているさまざまなビジネスモデル、ディープテックと言われる新たなテクノロジーの部分だったり。いずれにしても、今はまだ既存の事実が十分には存在していないところにおいて、適用するルールがそもそも存在しないという状況が起こります。
特にテクノロジーだったりビジネスの進化によって領域としては幅が広がっているんですけれども、こういったものに対して、「まだルールがないんだけどどうすればいいんだっけ?」ということを考えるのがこのクリエーション機能ということになります。この辺りは、当然お察しのいい方はお分かりになると思いますが生成AIにはなかなか難しい領域という形になっているわけです。
次にナビゲーション機能について。これは既にある領域を最大化していくということです。これは、ある意味で生成AIにとってかなり得意な領域かもしれません。今ある領域、つまり作られたルールや過去の判例、解釈の幅の中で最大化を目指すということです。
そしてガーディアン機能というのは価値の毀損を防ぐという、どちらかといえば保守的な機能です。要するに、ルールからはみ出ることを阻止する機能ということですね。
法務という可能な枠があって、それを最大化するナビゲーション機能、はみ出さないように阻止するガーディアン機能、そもそもこの枠を広げようじゃないかというクリエレーション機能ですね。この3つが法務機能の再整理として提示されているということです。

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